ラグを選ぶ際に、衛生面が気になる方も多いと思います。
とくにギャッベはウールが主な素材となっているため、ダニや虫喰いの心配をされている方もいらっしゃるかもしれません。
ギャッベに使用されるウール素材は、通気性が高くダニや虫が繁殖しにくいと言われています。
皮脂や食べこぼしなどのゴミはダニの餌となるため、ギャッベは定期的に掃除機掛けをおこなってください。
本記事では、ギャッベのダニ・虫対策とダニが発生した時の対処法について解説いたします。
ダニ・虫が発生しやすい条件
ギャッベにダニや虫が発生するのかを説明する前に、まずはダニや虫が発生しやすい条件に付いて解説いたします。
ダニや虫が発生するのは、以下の4つの条件がそろっているときです。
■ダニ・虫が発生しやすい環境■
- 気温20~30度
- 湿度65~80%
- ホコリ・食べこぼしなど餌がある
- 隠れる場所がある
ダニや虫は、高温多湿で餌のある場所を好みます。
また、カーペットの裏面とフローリングの間は光が当たりません。
そのため、ダニが隠れやすい場所となっています。
とくに、気温や湿度が高まる夏はダニや虫が発生しやすくなるため注意が必要です。
ラグ・カーペットに付着しやすい虫
ラグカーペットに付着しやすいダニは、ヒョウダニ(チリダニ)やツメダニです。
ヒョウダニは、カーペットや寝具などの布製品に生息。
ホコリやフケ、垢、食べこぼしなどの有機物を餌にしているダニです。
人を刺すことはありませんが、糞や死骸がアレルギー性疾患の原因になります。
ツメダニはヒョウダニなど他のダニを捕食するダニです。
稀に人を刺すことがあり、刺咬症の原因になることがあります。
ダニ以外にラグやカーペットに発生しやすい虫として挙げられるのが、カツオブシムシです。
カツオブシムシの幼虫は、ウールやコットンなどの天然繊維のカーペットを食害する可能性があります。
いずれにしても、ダニや虫を発見した際には早めの駆除が必要です。
ギャッベがダニ・虫に侵されにくい理由
ギャッベは他のカーペットに比べてダニが発生しにくいと言われています。
その理由は、主に以下の3つ。
■ギャッベがダニ・虫に強い理由■
- ウールの調湿性
- 毛足が詰まっている
- 通気性が良い
それぞれ詳しく解説いたします。
ウールの調湿性
ギャッベに使用されるウールは、調湿性が非常に高い素材です。
ウール素材には、湿度を一定(60%程度)に保つとする働きがあります。
湿度が高いときは空気中の湿気を吸い取り、ラグに湿気がこもると放湿するため、湿気がたまりにくいです。
毛足が詰まっている
ギャッベは織子の手によって、ひとつひとつ高密度に織り上げられています。
織り目がしっかり詰まったギャッベは、ダニの餌となる食べこぼしやゴミが毛足の奥まで侵入しにくいです。
そのため、掃除機でギャッベ表面を吸い取るだけで、ダニの栄養源を取り除くことができます。
通気性が良い
カーペットの裏貼りに使われているゴムやラテックスは、カーペットの通気性を悪くしている要因のひとつです。
ゴムやラテックスが空気を通しにくいため、カーペットと床面の間に湿気がたまりやすくなります。
そのため、床に敷きっぱなしにしていると湿気がこもってダニやカビが発生しやすくなるのです。
一方、ギャッベの裏面をご覧いただくと、表地と同じ細かな織り目が現れます。
この美しい織り目が、裏貼りされていない何よりの証拠。
ゴムやラテックスなどが一切使われていないウール100%のギャッベは、通気性が損なわれず湿気がこもりにくくなっています。
ギャッベのダニ・虫対策方法
ギャッベに限らずカーペット類は、お手入れを怠ってしまうとダニの温床になる可能性があります。
ダニや虫は繁殖力が強く数も多いため、繁殖してから全滅させるのは難しいです。
ギャッベを清潔に保つためには、ダニや虫が発生しない環境を作ることが大切。
ここでは、ギャッベのダニ・虫予防対策方法について解説します。
換気・除湿
ギャッベが湿気を溜め込みすぎないよう、日ごろから換気をおこないましょう。
毎日窓を開けて風を通すことで、室内の湿気を追い出すことができます。
対角線上にある窓とドアを開けるなどして、風の通り道を作るようにしてください。
窓が小さい場合や、風の通り道を作るのが困難なときはエアコンの除湿機能が便利です。
外に干す
天気の良い日には、ギャッベを外に干して風を通しましょう。
ウールは長時間直射日光に当てると変色することがあります。
直射日光の当たらない風通しの良い場所に干してください。(短時間であれば、日光に当たっても問題ありません。)
また、ギャッベの移動や陰干しが難しい場合は、ギャッベの裏面に風を通して湿気を逃します。
ギャッベを半分に折り、裏面に扇風機を使って風を送りましょう。
掃除機掛け
ギャッベはしっかりと目が詰まっているため、汚れが毛足の奥に入り込みにくいです。
そのため、掃除機掛けをおこなうだけで、じゅうぶんに汚れを落とすことができます。
ギャッベの掃除機掛けは、週に1回以上が目安です。
とくに、購入したてのギャッベは遊び毛が発生することがあるため、こまめに掃除機を掛けましょう。
掃除機でゴシゴシと擦ると毛足を傷めてしまうことがあります。
ギャッベに限らずカーペットに掃除機を掛けるときは、毛足を傷つけないよう優しくなでるように掃除機を掛けてください。
汚れ酷いときは強く擦るのではなく、掃除機を掛ける時間を伸ばすようにします。
1平方メートルあたり20秒を目安にゆっくり進みましょう。
カーペットは表面だけでなく、裏面やフローリングにも掃除機掛けをしてください。
ギャッベをはじめとした敷物には、空気中のホコリやハウスダストをキャッチする効果もあります。
表面をきれいにしておくことで、室内全体の空気もクリーンに保つことができるでしょう。
通年使用する
ダニや虫が好むのは、暗く風通しの悪い場所。
押し入れやクローゼットは、日光が当たらず、空気がこもるため、ダニや虫が住みやすい環境です。
そのため、ギャッベを押し入れやクローゼットに長期間保管すると、ダニや虫が発生するリスクが高まります。
夏涼しく冬暖かいギャッベは、ギャッベは通年通してご使用いただくのがおすすめです。
ギャッベを収納するときは直射日光の当たらない、風通しの良い場所に保管してください。
正しい収納方法については次の章で解説いたします。
ギャッベの正しい収納方法
ギャッベはオールシーズンご使用いただける敷物ですが、季節に合わせて敷き替えすることもあると思います。
ダニや虫に侵されないためにも、ギャッベは必ず汚れと湿気を取り除いてから保管しましょう。
ギャッベを収納する手順は以下の通りです。
■ギャッベの収納手順■
- ギャッベに掃除機を掛ける
- ギャッベを裏返して陰干しする
- 干した状態でギャッベを叩いてホコリを出す
- 再度、ギャッベに掃除機を掛ける
- ギャッベを丸巻きにし乾燥した場所に保管
陰干しは数時間かけておこない、ギャッベの中にこもっている湿気を取り除きます。
ギャッベを折りたたんで収納すると、折りジワができることがあります。
丸巻きにし、ハトロン紙に包んで保管すると良いでしょう。
ギャッベを収納する際の注意点
ギャッベはオールシーズン使用する分には問題ありませんが、収納するとダニや虫が繁殖する可能性が上がります。
ギャッベを収納する際は、以下の4つのポイントに気をつけてください。
■ギャッベの収納で気をつけるべきこと■
- すのこや除湿剤を使う
- 定期的に収納場所の換気をする
- 圧縮袋は使わない
- 半年に1度は取り出して陰干しする
すのこなどを活用し、ギャッベが床に接地しないようにしてください。
また、市販のダニ杭防止品などを活用するのも効果的です。
押し入れや屋根裏、クローゼットなどカーペットを保管する場所は空気がこもりやすいです。
長期間カーペットを収納する場合は、半年に一度取り出して風を通してあげましょう。
ギャッベにダニ・虫が発生したときの対処法
最後に紹介するのは、ギャッベダニや虫が発生した場合の対処法についてです。
万が一ギャッベにダニや虫が発生しているときは、迅速に駆除をおこなってください。
駆除剤や燻煙材は成虫には駆除効果があるものの、卵や幼虫には効果がないことがあります。
ダニや虫の駆除に効果的なのが、高熱です。
ダニや虫は65度以上の熱で成虫・幼虫・卵全て退治することができます。
ギャッベに発生したダニや虫はスチームアイロンやスチームクリーナーなどを活用して駆除をおこなってください。
また、ホットカーペットの高温(ダニ退治)モードや、布団乾燥機を活用するのもおすすめです。
ウールは熱に強い素材ですので、安心して熱による駆除をおこなってください。
ダニ・虫の駆除が完了すれば、掃除機で死骸を吸い取りましょう。
本記事のまとめ
本記事では、ギャッベのダニ対策方法について解説してきました。
ダニが発生しやすいのは、高温多湿で食べこぼしなどの餌がある環境です。
通気性が良く、毛足の密度が高くゴミが入り込みにくいギャッベは、ダニが繁殖しにくいと言われています。
ただし、ギャッベが汚れていたり、湿気がこもったりするとダニが繁殖する確率はゼロではありません。
ギャッベを長く衛生的に使用するためにも、定期的に換気や掃除をおこなってください。
また、長期で保存する際は、半年に一度ギャッベを取り出して陰干しし、湿気を取り除くようにしましょう。