温かみがあり気持ちを明るくしてくれるオレンジ。
心を落ち着け、集中力を高める効果のあるブルー。
色にはそれぞれパワーがあり、私達の心にも影響しています。
ラグやカーペットを選ぶときには、色の持つ心理効果にも着目してみましょう。
本記事では色彩心理学を活用してカーペットやラグの色を選ぶ方法について解説いたします。
カーペットの色を決める方法
カーペットの色を決める方法は、色彩心理を活用する以外にも様々あります。
ここでは、カーペットの色を決める代表的な方法について紹介しましょう。
家具に合わせる
カーペットは面積の大きなアイテム。
だからこそ、他の家具と調和させることは何よりも大切です。
インテリアの配色は配色黄金比を参考にすると美しくまとまります。
配色黄金比とはインテリアをベースカラー(70%)、メインカラー(25%)、アクセントカラー(5%)に分けて配色することです。
ベースカラー (70%) |
壁・床・天井 |
メインカラー (25%) |
カーテン・ラグ・家具 |
アクセントカラー (5%) |
クッション・小物など |
ラグやカーテンなどのメインカラーは、インテリアにおいて主役となる色です。
ベースとなる壁やフローリングと色を揃えるか、対比させるかによって部屋全体の印象が大きく変わります。
風水効果を取り入れる
ラグやカーペットの色選びに、風水の考えを取り入れる方も多いようです。
風水は古代中国発祥の環境学。
『気』の力を利用し、環境を整えることで開運を目指します。
「黄色のアイテムを見につけると金運がアップする」と言われるのも、風水の考えに基づくものです。
風水では部屋の方角や上げたい運気によって、おすすめカラーが異なります。
暮らしを見つめ直すきっかけとして、ラグの色を風水で選んでみるのも良いでしょう。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
心理的効果を意識する
カーペットの色選びに、色の持つ心理的効果を活用することもできます。
「緑を見ると心がリラックスする」「青は集中力を高めてくれる」と言う話を聞いたことはありませんか?
癒しの効果があるグリーンは、家族が寛ぐリビングに適した色だと言われています。
また、食欲増進効果があり、気持ちを前向きにしてくれるオレンジや赤はダイニングに取り入れると良いそうです。
このように、色の心理的効果をラグ選びを活用して、快適な住まいづくりを目指してみてはいかがでしょうか?
色が人の心に与える影響
赤や青など、ひとつひとつの色にも効果はあるのですが、まずは基本的な色の効果について解説していきたいと思います。
ラグ以外の色選びにもきっと役立ちますよ。
暖色・寒色
寒色と暖色と言う言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
寒色は文字通り冷たさを感じさせる色のこと。
青緑や青、青紫などが寒色に含まれ、クールで知的な印象を与えます。
一方、暖色はオレンジや赤など暖かさを感じさせる色のことです。
食品を美味しそうに見せる効果もあります。
寒色と暖色は季節に合わせて取り入れることが大切です。
暑い夏は涼やかな寒色を使い、寒い冬は暖色で温かみを添えてみましょう。
また、緑や紫、無彩色(白や黒など)といった冷たさも暖かさも感じさせない色は中性色と言います。
軽い色・重い色
同じ大きさのものでも、色によって軽そうに見えたり重そうに見えたりすることがあります。
一般的に濃い色・暗いは重く、薄い色・明るい色は軽く見えやすいです。
インテリアのバランスを整えたいときは、濃い色のアイテムを下に配置し、上にいくほど薄い色を取り入れましょう。
また、明るい色には開放感を演出する効果もあります。
空間を広く見せたいときには、インテリア全体を淡い色でまとめるようにしましょう。
色別の心理的効果とカーペット選びのコツ
この章では、カーペットの色別に心理的効果について解説します。
赤
赤は暖色の中でもとくに暖かさを感じさせる色。
情熱やエネルギーがみなぎる色です。
赤は見る人を興奮させたり、自信やパワーを与えてくれる色だと言われています。
そんな赤のカーペットは人の集まる部屋や、楽しい時間を過ごしたい場所におすすめです。
鮮やかな赤は興奮作用が強いため、広範囲に使用すると落ち着かない印象になってしまうかもしれません。
ラグやカーペットは面積が大きいので、淡い色や暗めのトーンのものを選びましょう。
活気を与えてくれる赤は、書斎や寝室のような落ち着きを求めたい場所にはあまり向いていません。
小物などにポイントで取り入れると良いでしょう。
ピンク
甘くロマンチックなイメージを持つピンク。
優しいピンク色は、かわいらしさや穏やかさを感じさせます。
ピンクには緊張をほぐし安心感を与える効果もあり、インテリアにも取り入れやすい色です。
リラックスして過ごしたい寝室や、家族で過ごすリビングにピンクのラグを取り入れると和やかな空間を演出できるでしょう。
また、ピンクはトーンによって印象が大きく変わるため、空間に合わせて使い分ける必要があります。
パステルピンクやピンクベージュは、比較的インテリアにも取り入れやすいです。
ショッキングピンクをポイントで取り入れると、メリハリのきいたコーディネートになります。
オレンジ
暖色の代表カラーであるオレンジ。
親しみやすい印象を与え、明るい気持ちにしてくれる色です。
日当たりの悪い部屋にオレンジのラグを取り入れると、暗くなりがちな空間に明るさをプラスしてくれます。
陽気な印象を与えるオレンジのラグは家族が過ごすリビングや娯楽ルームに最適です。
食欲増進効果もあるためキッチンマットやダイニングラグに取り入れてみても良いでしょう。
インテリアにおいては、幅広いテイストに合わせることができる万能カラーです。
黄色
すべての色の中でも最も明るいと言われる黄色。
気持ちを明るく前向きにしてくれる効果があります。
心身に刺激を与えてくれる色なので、ダイニングや書斎のアクセントに取り入れてみましょう。
黄色のアイテムが1点あるだけで空間が華やかになります。
ラグに取り入れるときは、淡いクリームイエローやトーンを抑えたマスタードイエローがおすすめです。
グレーやネイビーなど落ち着いた色を組み合わせることで、黄色の魅力を引き立てることができます。
黄色は個性が強い色なので、あくまでもポイントとして取り入れるようにしましょう。
緑
緑は癒しの効果を与えてくれる色。
山や草原など自然をイメージさせるグリーンには、人をリラックスさせる効果があります。
中性色でもある緑は、どんな色とも調和しやすいインテリアの定番カラーです。
緑のラグはリビングやダイニング、ベッドルームなど場所を問わずお使いいただけます。
明るく演出したいリビングには若草色のラグを、ゆったりと寛ぐ書斎には深緑色のラグを取り入れてみましょう。
観葉植物や木製家具など、ナチュラルなアイテムと組み合わせるとさらにリラックス効果を高めることができます。
青
寒色の代表カラー、青色。
青は「大海原」や「澄みわたる晴れ空」など壮大な自然を連想させる色です。
青には鎮静作用があり、気持ちをクルーダウンさせ集中力を高める効果があります。
青色のラグは、書斎や勉強部屋などの作業スペースにおすすめです。
寒色でもある青は、夏のインテリアに加えることで清涼感を与えてくれます。
夏と冬でラグを敷き替えているご家庭の場合、夏に青いラグを敷いて季節感を演出しても良いでしょう。
反面、冬や日当たりの悪い部屋に取り入れると寒々とした印象を与えてしまうため要注意。
季節や使う場所を意識して取り入れてください。
紫
赤色の情熱と青色の冷静さを合わせた紫色は神秘的なイメージを与えます。
古来、紫の染料に用いられていたのは巻貝のパープル線から採れる分泌液。
数千の貝からほんの数グラムの染料しか採取できないため、紫は希少価値が高く高貴な色として扱われてきました。
かの有名なクレオパトラも紫色の美しさに魅了された一人です。
スピリチュアルなオーラを放つ紫色は、創造性や感性を刺激します。
そのため、紫色のラグは音楽鑑賞を行う部屋、書斎などの創作活動や芸術にまつわる部屋に最適です。
ブラウン
大地を想起させる茶色。
『茶色』と言う名前は、布をお茶の葉で染めていたことに由来します。
温かみのある茶色は、安心感や信頼感を与えてくれる色です。
古くから人々の生活に親しまれてきた色で、インテリアはもちろんファッションや雑貨などあらゆる場面で活用されています。
フローリングやドア回りなど、インテリアにおいてはベースとなることの多い茶色。
ラグとフローリングの色をそろえることで、落ち着きのある空間を演出できます。
室内全体を茶色で統一してしまうと重たい印象を与えてしまうので、明るいグリーンやオレンジをアクセントに加えましょう。
白
光をほぼ100%反射する白色。
ウェディングドレスや新雪を連想させる白は、清潔さや真新しさを感じさせる色です。
インテリアに白を取り入れると、空間を開放的に演出することができます。
壁や天井などのベースカラーに用いられることも多いです。
白色のラグは、組み合わせる色やテイストによってイメージが変わります。
淡いピンクを基調としたインテリアに白色のラグを取り入れれば、フェミニンな空間に。
部屋全体を白色で統一すると、生活感を感じさせない上品なインテリアに。
変幻自在の色なので、どんなテイスト・色にも合わせやすいです。
白は汚れが目立ちやすい色でもあるので、ラグのお手入れを怠らないようにしましょう。
グレー
控えめな上品さが魅力のグレー。
グレーにはストレスを和らげ、気持ちを落ち着かせる効果があります。
無彩色なのでどんな色にも合わせやすく、インテリアでも広く活用されている色です。
洗練されたイメージを与えてくれるグレーですが、白と黒配分によって少し印象が変わります。
インテリアに取り入れるときは、グレーの明度(明るさ)にも着目してみてください。
明るいグレーは白のような開放感を、暗いグレーは黒のような高級感のある雰囲気を演出できます。
上品なグレーのラグは寝室や書斎といった、静かに落ち着いて過ごしたい場所に最適です。
ビジネスシーンにも使いやすい色なので応接スペースのラグに取り入れても良いでしょう。
黒
何ものにも染まらない強さを持つ黒色。
高級感や重厚感を与えてくれる色です。
黒色には気持ちを引き締める効果があると言われています。
仕事部屋や勉強部屋など集中力を必要とする場所には黒色のラグを取り入れると良いでしょう。
黒色には周囲の色を引き立てる効果があり、基本的にはどんな色とも合わせやすいです。
ですが、黒の配分が多くなると圧迫感や威圧感を与えやすい色でもあるので要注意。
部屋全体を黒で統一することは避ける、温かみのあるオレンジや黄色を加えるなど、全体の配色バランスを意識しましょう。
この記事のまとめ
本記事では色彩心理学を活用してカーペットやラグの色を選ぶ方法について解説してきました。
色は視覚だけでなく、心にも影響をもたらすもの。
インテリア選びに色彩心理を活用することで、居心地の良い空間を演出できます。
カーペットを選ぶときには色の持つ心理的効果にもぜひ着目してみてください。