空気が乾燥せず、やけどの心配も少ない床暖房。
高齢者や小さなお子様のいるご家庭からも人気で、リフォームや新築のタイミングで床暖房を導入されるケースも増えてきています。
そんな床暖房の上に、ラグやカーペットを敷いて使うことはできるのでしょうか。
また、どのようなラグであれば床暖房の上にも敷くことができるのでしょう。
本記事では、床暖房対応・非対応のラグの違いと床暖房対応ラグの選び方について解説いたします。
床暖房の上にラグやカーペットを敷いても大丈夫?
基本的に床暖房を使用する際には、何も敷かずに使うことが望ましいと言われています。
その理由は、ラグと床暖房の間に熱がこもりやすいためです。
ラグと床暖房の間に熱がこもることで、床暖房の性能が発揮できないことがあります。
また、ラグを敷いた状態で長時間床暖房を使用すると、過熱によってラグやフローリングが変形・変色すると言ったトラブルに発展することもあるそうです。
ですが、「床暖房の上にラグやカーペットを敷いて使うことは厳禁」というわけではありません。
『床暖房対応』と表示されているラグであれば、床暖房の上に敷いてお使いいただいても大丈夫です。
床暖房対応・非対応カーペットの違い
では、床暖房対応のカーペットと非対応のカーペットにはどのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、大きな特徴を3つ紹介いたします。
■床暖房対応・非対応カーペットの違い■
- 熱に強い素材を使用している
- ラテックスが耐熱性
- 通気性がある
熱に強い素材を使用している
床暖房対応のラグに使われるのは熱に強い素材です。
例えば夏ラグに使われる『竹』や『い草』は熱に弱いため、床暖房の上に敷いていると変形・変色してしまう可能性があります。
ラグの滑り止めとして使われるゴムやプラスチックも熱に弱いことが多いので注意が必要です。
ラテックスが耐熱性
床暖房の上に敷くのであれば、ラグの素材はもちろん、ラグに塗布されるラテックスも耐熱性でなければなりません。
ラテックスとはラグの表面と裏面を取り付ける接着剤のこと。
ラテックスが耐熱性でないと、床暖房の熱で劣化し、接着が外れてしまう恐れがあります。
通気性
また、床暖房で使用するラグは、耐熱性だけでなく通気性も重要です。
通気性が低いとラグと床暖房の間に熱がこもってしまい、暖房効率が悪くなってしまいます。
また、熱がこもると高温になりやすいためラグやフローリングの劣化を招く要因にもなりかねません。
通気性の良いカーペットであれば、床とカーペットの間に熱がこもりにくく床を傷める心配も少なくなります。
床暖房の上にカーペットを敷くメリット・デメリット
床暖房の上にラグを使用することには、メリットもデメリットもあります。
部屋での過ごし方をイメージしつつ、メリット・デメリットを比較したうえで床暖房とラグの併用をご検討ください。
メリット
床暖房の上にラグを敷いておくことで、以下のようなメリットを得ることができます。
■床暖房とラグを併用するメリット■
- 見た目がおしゃれ
- 座り心地が良い
- 暖かさがキープできる
- 床からの冷えを防ぐ
ラグやカーペットは、色や形状、デザイン、素材感によって大きく表情を変えます。
インテリアに合わせてムードを高めてくれるのも、ラグの重要な役割です。床暖房のフローリングに華やかさを添えてくれます。
また、カーペットはクッション性に優れた床材。
フローリングに比べて座り心地が良いので、暖まった床に座って過ごすのに最適です。
厚みのあるラグは保温性の高さも魅力のひとつ。
床暖房の電源を切ってからも、その熱を長く持続してくれます。
ラグには断熱性があり底冷えを防ぐ効果があるため、床暖房が暖まるまでの間の寒さをしのぐことができます。
デメリット
一方で、ラグの上に床暖房を敷くことにはデメリットもあります。
■床暖房とラグを併用するメリット■
- 使用できるラグが限られる
- 暖まるのに時間がかかる
- フローリングが傷む可能性がある
先ほど説明しました通り、すべてのラグやカーペットが床暖房と併用できるわけではありません。
そのため、使用できるラグはデザインや機能が限られてしまいます。
また、床暖房は床で発せられた熱が上昇して部屋全体を温める暖房器具。
床の上にラグを敷くと、床暖房の熱が抑えられてしまい室温が上がりにくくなってしまいます。
そのため、何も敷いていない状態に比べ、ラグを敷いている床の方が暖まるのに時間がかかってしまうこともデメリットのひとつです。
また、ラグと床の間に熱がこもることでフローリングが傷んでしまうことがあります。
床暖房対応と書かれている場合でも、念のため時折ラグをめくって様子を確認するようにしてください。
床暖房対応のラグ・カーペットを選ぶポイント
床暖房でも使いやすいラグを選ぶことで、デメリットを軽減することも可能です。
ここでは、床暖房の上にも使用しやすいラグの選び方について解説いたします。
『床暖房対応』機能
床暖房の上に敷くラグは、必ず床暖房対応のラグであるかどうかを確認しましょう。
とは言え、ラグを見ただけでは「ラテックスが耐熱か」「通気性が良いか」など床暖房との併用に適しているか判断するのは難しいです。
ラグの商品タグや商品説明を確認し、『床暖房対応』となっていることをご確認ください。(ネット通販サイトでは商品ページに表示されていることが多いです。)
ちなみに、当店の床暖房と併用できるラグには、商品ページ左上に「床暖房OK」と表示されています。(※上記写真参照)
ご購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
ご自宅にあるラグを床暖房の上に使いたい場合は、購入店舗にお問い合わせください。
厚み
床暖房の上に重ねるラグは、分厚すぎず薄すぎないものを選ぶことも大切です。
厚みがあると床が暖まるまでに時間がかかりますし、ラグが薄すぎるとクッション性が低くなってしまいます。
床暖房の熱を邪魔せず、座り心地も良い厚さ1-1.5cm程度のラグがおすすめです。
ほどよい厚みがあることで、長時間座ったときに熱くなり過ぎないように予防することもできます。
また、その厚みによって床暖房のスイッチを切った後もしばらく保温できるので、電気代の節約にも貢献してくれることでしょう。
素材
カーペットは使われる素材によって保温性や断熱性が異なります。
床暖房の暖房効率を高めたい方は、カーペットの素材にもこだわりましょう。
おすすめの素材は『ウール』です。
冬のセーターにも使われるウールは、保温性が高い素材。
床暖房によって暖められると、その熱を長くキープしてくれます。
床暖房の使用時間を少なくすることで、節電効果も期待できそうですね。
また、断熱性が高いこともウール素材の特性のひとつ。
床からの冷えを防ぎ、床暖房が暖まるまでの間も快適にお過ごしいただけます。
サイズ
アクセントラグであれば問題ありませんが、カーペットを敷き詰めたい場合はサイズ選びに注意しましょう。
カーペットで床暖房のフローリングを覆ってしまうと、熱がカーペットの中にこもりやすいです。
床暖房対応であればカーペット生地を傷める心配はありませんが、何も敷いていない状態と比べて暖房効率が落ちてしまいます。
部屋全体を温めるために、カーペットで床暖房全体を覆わないよう気をつけましょう。
広範囲にカーペットを敷きたい場合であっても、床暖房の範囲より一回り小さいサイズを選ぶようにします。
既製のカーペットだとサイズが合わないときは、オーダーサイズのカーペットをご検討ください。
床暖房の広さに合わせて、自由にサイズをお選びいただけます。
また、角のない円形ラグも四隅に余白できるのでおすすめです。
床暖房対応カーペットを使用する際の注意点
床暖房の上にラグを敷くときは、以下の3点にご注意ください。
■床暖房の上にラグを使用する注意点■
- 長時間使用しない
- 低温やけどに注意する
- 床暖房の取扱説明書も確認する
たとえ床暖房対応のラグであっても、長時間床暖房を使用し続けると生地が傷んでしまう可能性があります。
使用していない時間は床暖房の電源を切り、カーペットを休ませる時間を作ってください。
また、ラグには床暖房の熱を和らげる効果がありますが、長時間同じ姿勢でいると低温やけどする可能性があります。
床暖房の上で昼寝や就寝をするのは避ける方が良いでしょう。
また、赤ちゃんや介護が必要な方など、自力で姿勢を変えることができない方が床暖房を使用する際にも注意してください。
床暖房の種類によっては、カーペットと併用できないことがあります。
ラグを敷く前に、必ず床暖房の取扱説明書も確認するようにしてください。
当店おすすめ床暖房対応ラグ6選
ここからは当店自慢の床暖房対応ラグを紹介いたします。
まとめ
本記事では床暖房の上に敷いて使えるカーペットの条件や選び方について解説してきました。
カーペットは保温性・クッション性に優れた床材。
床暖房の上にラグやカーペットを敷いておくことで、暖かさと座り心地の良さを両立できます。
接着剤に非耐熱性のラテックスを使用しているラグや、熱に弱い素材を使用したラグは床暖房と併用することができません。
ラグを床暖房の上に敷いて使用する場合は、必ず床暖房対応ラグであるかどうかお確かめください。