カーペットの種類は、サイズや素材、デザインなど千差万別。
数多のカーペットの中から、自分にあったカーペットを選ぶためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?
この記事では、サイズ・素材・色などの項目別にカーペット・ラグの選び方について解説いたします。
カーペット選びで大切なのは『優先順位』
カーペット選びで大切なこと。
それは、カーペットに求める条件に優先順位をつけることです。
サイズや機能、デザイン、素材、値段など、カーペットに欲しい条件は、ご家庭によって異なります。
優先順位をつけるときには、カーペットを敷いてどのように過ごしたいのか具体的にイメージを膨らませることが大切です。
■優先順位の決め方の例■
マンションに住むご夫婦と5歳のお子様、猫1匹のご家庭で、お子様の遊びスペースとしても使えるリビング用カーペットを探しているとします。
まずは、カーペットに欲しい条件を洗い出しましょう。
- 階下への騒音対策になる防音機能
- 汚れても安心な洗える機能
- 猫の爪が引っ掛かりにくいカットパイル
- お子様が大好きな青色
- しつらえに合う北欧風デザイン
- 床座に適した大きめサイズなど…
考えたカーペットの条件の中から優先順位をつけていきます。
カーペットを敷いたときの生活スタイルをしっかりとイメージして、必要な条件を選びましょう。
すべての条件を満たすカーペットは、そう簡単には見つかりません。
選択肢を広げるためにも、優先したい条件は1~3個程度まで絞ってください。
カーペットの選び方~サイズ編~
カーペット選びでミスが多いのがサイズ選びです。
カーペットやラグは、部屋の間取りに合わせてサイズを決めましょう。
敷き詰め
敷き詰めのカーペットは、部屋のサイズがそのままカーペットのサイズとなります。
ただし、畳の規格は地域や建物によって異なるため、カーペットのサイズ選ぶ際には必ず部屋の採寸をおこなってください。
▼カーペットのサイズ目安表▼
2畳 | 3畳 | 4.5畳 | 6畳 | 8畳 | 10畳 | 12畳 | |
江戸間 | 176x176cm | 176x261cm | 261x261cm | 261x352cm | 352x352cm | 352x440cm | 352x522cm |
中京間 | 182x182cm | 182x273cm | 273x273cm | 273x364cm | 364x364cm | 364x455cm | 364x546cm |
本間 | 191x191cm | 191x286cm | 286x286cm | 286x382cm | 382x382cm | 382x477cm | 382x572cm |
ただし、部屋によっては既製サイズのカーペットが合わない場合もあります。
部屋の間取りにぴたりと合うカーペットをお探しのときは、サイズオーダーのカーペットが便利です。
オーダーカーペットであれば、部屋の凹凸や扉の開閉部分に合わせたカット加工をできるものもあります。
カーペットサイズの詳しい選び方については、こちらの記事をご確認ください。
カーペットのサイズ目安とオーダー加工の採寸方法
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部分敷き
ラグやソファ前など、部屋の一部にカーペットを敷くこともあるかと思います。
その場合は、カーペットよりも『ラグ』で探される方が理想の敷物が見つけやすいです。
▼ラグのサイズ目安表▼
1畳 | 1.5畳 | 2畳 | 3畳 | 円形 | 円形 |
100×140cm | 140×200cm | 200×200cm | 200×250cm | 直径140cm | 直径200cm |
ラグのサイズを検討する際は、ラグを敷く場所と周辺の家具の大きさを考慮しながら選びましょう。
ソファの前に敷くのか、それともソファの下に敷き込むのか。
ラグのサイズを選ぶ際には、家具との配置についても考えておくことも大切です。
ラグサイズの選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてお読みください。
カーペットの選び方~色編~
カーペットの配色は、インテリア全体の印象を左右するといっても過言ではありません。
ここでは、カーペットの色を選ぶときに気をつけるべき3つのポイントについて解説します。
カーペットの色選びにお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。
インテリアの基本の配色比率
インテリアの色を決定するときは、部屋全体のカラーバランスに配慮する必要があります。
部屋の色を『ベースカラー』『メインカラー』『アクセントカラー』の3つの要素にわけて配色すると失敗が少ないです。
▼インテリアの基本の配色比率▼
ベースカラー (70%) |
インテリアの基盤となる色 【例】壁・床・天井 |
メインカラー (25%) |
インテリアの主役となる色 【例】カーテン・ラグ・家具 |
アクセントカラー (5%) |
メリハリをつける色 【例】クッション・小物など |
カーペットはインテリアの顔とも言える『メインカラー』に含まれます。
メインカラーはインテリアの方向性を決める色。
カーペットの色は、目指したいスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
カーテンやソファなど、他のメインカラーとの相性を見ながらお選びください。
インテリアスタイルとの相性
カーペットの色は、部屋のインテリアテイストに合わせて選ぶことが大切です。
定番のインテリアスタイルには以下のようなものがあります。
- ナチュラル
- モダン
- 北欧
- ヴィンテージ
- クラシック
ナチュラルインテリアや北欧インテリアは、天然素材と相性の良いアースカラーを合わせましょう。
モダンインテリアには、洗練された印象を与えるモノトーンカラーがおすすめです。
ヴィンテージインテリアには、ダークブラウンやダークグレーなど重厚感のある色が良く馴染みます。
カーペットの色だけでなくデザインも、インテリアに調和するよう心掛けましょう。
色の組み合わせ方
カラーコーディネートにおいて、どの色を組み合わせるのが良いのか難しいこともあると思います。
色の組み合わせについて考える際には、色を構成する『色素』『明度』『彩度』『トーン』の4つの要素について知っておくと便利です。
▼色を構成する要素▼
色相 | 赤や青など色の大まかな分類 |
明度 | 色の明暗を表すもの |
彩度 | 色の鮮やかさを表すもの |
トーン | 色の明度と彩度を組み合わせたもの |
これらの要素を意識してカラーコーディネートすることで、統一感のあるインテリアを実現することができます。
ここでは、比較的組み合わせやすい色の組み合わせを3つご紹介します。
【同系色・モノトーン】
同系色とは、ある色相のトーン(明度・彩度)を変えた色のことです。
同色系のコーディネートは、まとまりやすく洗練された印象を与えます。
反面、単調な印象を与えることもあるので色の濃淡でコントラストをつけましょう。
白・黒・グレーのモノトーンカラーも同系色の一種です。
【類似色】
類似色とは、色相環で近い位置にある色のこと。
同系色に比べてカラーのバリエーションが広がります。
色の持つ性質が似ているため、比較的扱いやすい配色です。
寒色系・暖色系のインテリアや、アースカラーでまとめたインテリアが類似色に当てはまります。
【同一トーン】
トーン(明度・彩度)を統一した同一トーンのコーディネートは、多色使いに適した配色です。
洋菓子のマカロンをイメージしていただくとわかりやすいと思います。
違う色同士のマカロンを並べてもまとまりが良いのは、淡く明るいトーンに統一されているからです。
同一トーンの定番コーディネートのひとつに、ペールトーンインテリアがあります。
カーペットの選び方~素材編~
カーペットに使用される素材にはどのような特徴があるのでしょうか?
カーペットに使用される素材は、大別すると『化学繊維』と『天然繊維』の2種類に分けられます。
ここでは、化学繊維と天然繊維の特徴と代表的な素材についてご紹介します。
化学繊維
石油などを主原料とした、人工的に作られる繊維のことを化学繊維と言います。
化学繊維は、ナイロン・ポリエステルなど石油系の原料をした『合繊繊維』と、レーヨンなど天然の木材などを原料とした『再生繊維』の2種類です。
化学繊維の魅力は使い勝手の良さ。
加工することで形状記憶・抗菌防臭・はっ水・接触冷感など、バラエティに富んだ機能を持たせることができます。
また、大量生産が容易なため天然繊維に比べて価格がリーズナブルです。
ナイロン
優れた弾力性と耐摩耗性を誇るナイロン素材。
耐久性はカーペット素材の中でもトップクラスとなっております。
廊下やリビングなど、歩行量の多い場所に敷くカーペットにも使用いただける素材です。
ポリエステル
ナイロンに次ぐ耐摩耗性を誇るポリエステル。
染色しやすく安価のためバリエーションが豊富です。
デメリットが少なく、ラグやカーペットをはじめカーテンや衣類など幅広い分野で活用されています。
ポリプロピレン
吸水性が低いポリプロピレンは、撥水カーペットに活用されることもある素材です。
ナイロンやウールなどの素材に比べて安価なことも魅力のひとつです。
耐久性がやや低いというデメリットがあります。
天然繊維
自然由来の素材を使用して作られるのが天然繊維。
天然繊維はコットンやリネンなど植物を原料とした『植物繊維』と、ウールやシルクなど動物が主原料となった『動物繊維』の2種類です。
天然繊維は、保温性や保湿性など自然由来の優れた機能性を備えています。
化学繊維に比べてお手入れなどの手間はかかりますが、素朴な風合いは化学繊維にはない魅力と言えるでしょう。
ウール
ウールは弾力性や保温性、保湿性など自然ならではの機能を備えた床材です。
吸湿性が高いため、梅雨や夏でもサラッとした手触りをキープします。
オールシーズン通して快適な居住空間を演出する素材です。
コットン
コットンは、吸湿性の高い素材です。
肌への刺激が少なく、洗いやすいことから赤ちゃんや小さいお子様のいるご家庭から人気があります。
ほどよい涼感があり、夏用のカーペットとして使われることも多いです。
カーペットの選び方~機能編~
カーペットやラグの中には、便利な機能を持つものも少なくありません。
ライフスタイルに合わせてカーペットの機能を選びましょう。
洗える機能
飲食をおこなうダイニングやリビングに敷き込むラグは、洗える機能があると安心です。
汚れてしまっても丸洗いが可能なので、清潔に保つことができます。
また、ウォッシャブルのラグは水に強いため、部分的な水洗いも可能です。
洗えるラグには洗濯機で洗えるものと、手洗い処理できるものがあります。
撥水・防汚
部屋全体に敷き詰めるなど、丸洗いが難しいサイズの場合は、撥水・防汚加工のカーペットがおすすめです。
撥水加工や防汚加工が施されたカーペットは、汚れや水分が染み込みにくくなっています。
汚れに強いためダイニングなど飲食をするスペースにも敷きやすいです。
防音
防音カーペットは繊維に空気を含む層があり、階下へと響く足音や生活音を軽減します。
近年問題となっている集合住宅での騒音トラブルにも効果的です。
防音カーペットはクッション性にも富んでいるため、足腰への負担を軽減します。
カーペットの防音性は遮音等級(△L等級)を目安にしてください。
△L等級は数値が大きくなるほど遮音性のが高くなります。
▼遮音等級の目安▼
△L等級 | 歩行などの足音 | イスの移動音 物の落下音等 |
生活音 |
△LL-6 | ほとんど聞こえない | 通常ではまず聞こえない | 上階の気配は感じにくい |
△LL-5 | 遠くから聞こえる感じ | ほとんど聞こえない | 上階の気配を 感じることがある |
△LL-4 | 聞こえるが気にならない | スプーンなどの落下音や 大きな動きがわかる |
上階の生活音が 少し気になる |
△LL-3 | 少し気になる | スリッパの歩行音や 椅子の移動音が気になる |
上階の生活状況が 多少確認される |
※上表はあくまで目安です。感じ方には個人差があります。
防ダニ
カーペットに付着する食べこぼしや髪の毛、ホコリなどの有機物はダニの繁殖の要因となります。
ダニやハウスダストが気になる方は、防ダニ加工のカーペットを選びましょう。
カーペットにダニの嫌がる成分を施すことで、ダニを寄せ付けずダニの繁殖を抑える効果があります。
人体や環境に無害なダニ忌避剤を使用しておりますので、お子様やペットのいるご家庭でも安心してご利用ください。
防炎
万が一の備えとしてご使用いただきたいのが防炎カーペット。
防炎カーペットとは、日本防炎協会が実施する『防炎物品性能試験』に合格したカーペットのことです。
燃えにくく、燃広がりにくい性質をもち、火災が発生した時には初期消火や避難のための時間の余裕を与えてくれます。
防炎物品性能試験をクリアしたカーペットのには、タグや裏面に『防炎ラベル』が貼られていますので参考にしてください。
とくに高さ31m(およそ11階)を超える高層建築では、消防法によって防炎カーペットの使用が義務付けられています。
高さ31mを超える高層マンションにお住まいの方は、たとえ1階であっても防炎カーペットを使用する必要がありますのでご注意ください。
抗菌・防臭
臭いの原因となる菌の繁殖を抑制するカーペットです。
ペットやタバコ、トイレなどから発生する生活臭を吸着・分解する効果があります。
人体に無害な抗菌剤を使用しているため、赤ちゃんや小さいお子様のいるご家庭での使用も可能です。
▼カーペットのその他の機能例▼
【遊び毛防止】 | 遊び毛や抜け毛、毛玉の発生が少ない。 |
【抗ウイルス】 | ウイルス・細菌・臭いなどを分解する。 |
【床暖房対応】 | 耐熱加工が施され、熱に強い。ホットカーペットや床暖房のカバーとして使用できる。 |
【滑り止め】 | ラグの裏面に滑りにくい加工が施されている。 |
【制電】 | 生地に静電気を放電する加工を施し、摩擦による帯電を抑える。 |
カーペットの選び方~パイル編~
カーペットの毛足のことを、パイルと言います。
パイルはカーペット選びにおいて着目されることが少ないですが、実はカーペットの使い心地を大きく左右する重要な要素です。
ループパイル
毛足が輪っかになった状態のパイルを、ループパイルと言います。
表面の雰囲気で言うと、タオル地のような状態です。
耐久性に優れているため、歩行量の多い場所、重い家具を置く場所に適しています。
カットパイル
カットパイルは、毛足が切り揃えられています。
毛足が輪になっていないため、犬や猫の爪が引っ掛かりにくいです。
手触りが良くリラックス効果が高い反面、耐久性はやや劣ります。
重い家具を置かない場所や、ペットと一緒に過ごす場所には、カットパイルのカーペットをお選びください。
本記事のまとめ
本記事ではカーペットの選び方について解説してきました。
カーペットを選ぶ際には、まず優先順位をつけることが大切です。
カーペットを敷いた暮らしを具体的に想像しながら優先順位を決めると、イメージ違いを防ぐことができます。
予算や使用環境、使用用途に合わせて欲しいカーペットの条件を絞り込みましょう。
カーペットに求める条件が厳しすぎると選択肢が少なくなってしまうため、譲れない条件は1~3個程度に絞ってご検討ください。