布団や枕、ソファーなどの布製品に生息するダニ。
もちろん、カーペットも例外ではありません。
カーペットはお手入れを怠るとダニが大繁殖することがあります。
ダニはアレルギー性疾患など健康に害を及ぼすこともあるため、カーペットを使用するときはダニ対策が必要です。
本記事ではカーペットにダニが発生した際の退治方法と、カーペットのダニ対策方法について解説いたします。
ダニと健康の関係について
屋内にいるダニの中で、人間の健康に害を及ぼす可能性があるのは『ヒョウダニ』と『ツメダニ』です。
ヒョウダニは人を刺すわけではありませんが、ヒョウダニの糞や死骸を吸い込むとアレルギー症状(ダニアレルギー)が出ることがあります。
ダニアレルギーの主な症状は、くしゃみ、鼻づまり、鼻水などです。
また、ダニアレルギーは鼻炎だけでなく、アレルギー性結膜炎、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの症状を引き起こす場合もあります。
一方、人を刺す可能性があるのがツメダニです。
ツメダニに刺されると、翌日以降にかゆみや赤い腫れがで1週間ほど続きます。
カーペットはダニが繁殖しやすい?
ひと昔前までは、「カーペットはダニの温床で、アレルギー性疾患を引き起こす」と言われていました。
確かにダニは布団やカーペットなど、湿気がこもりやすい布製品に生息する生き物です。
ですが、ダニはカーペットの繊維を食べているわけではありません。
カーペットに付着したホコリや皮脂などの餌を食しています。
そのため、カーペットをきれいにしておくことでダニの数を減らすことが可能です。
また最近では、カーペットをなくしてもアレルギー性疾患の患者数が減らなかったという研究結果も報告されています。
むしろカーペットを敷いていない方が、アレルギー患者の割合が多かったそうです。
カーペットが空気中に舞い上がるハウスダストの量を抑えたことで、身体にハウスダストが入り込む確率が減ったことが要因ではないかと推測されています。
つまり、カーペットにダニが繁殖するのは事実ですが、カーペットはアレルギー性疾患の直接的な原因ではないという事です。
カーペット自体がダニの数を増やすわけではなく、カーペットの付着したホコリや髪の毛がダニを増やすという事を覚えておきましょう。
ダニが繁殖する条件
ダニは、もともとカーペットに生息しているわけではありません。
ですが、餌や環境などの条件が揃うことによって、カーペットにダニが発生してしまいます。
ダニが繁殖する条件は以下の4つです。
■ダニが繁殖する条件■
- 気温20~30度
- 湿度65~80%
- ホコリ・食べこぼしなど餌がある
- 隠れる場所がある
ダニは高温多湿で餌のある場所を好みます。
ダニは、明るい場所が苦手な生き物。
そのため、押し入れや戸棚などの暗い場所に生息することが多いです。
湿気がこもりやすく、光の当たらないカーペットの毛足の奥や裏面は、ダニが生息しやすい場所となっています。
カーペットに繁殖するダニ・虫の種類
カーペットのダニや虫を退治する前に、カーペットに生息する虫の種類についても解説いたします。
ダニは昆虫ではなくクモやサソリの仲間です。屋内に生息するダニは、屋内塵性ダニ類と呼ばれています。
その中でも、カーペットで繁殖しやすいのは、『ヒョウダニ(チリダニ)』と『ツメダニ』の2種類です。
また、カーペットに繁殖するのはダニだけではありません。
『カツオブシムシ』と呼ばれる昆虫が繁殖することもあります。
ヒョウダニ
ヒョウダニとは、1年通してみられるダニのことです。
体長0.3~0.4mm程度で、肉眼ではほとんど見ることができません。
カーペット、ソファー、寝具などのファブリックアイテムに生息し、ホコリや人のフケ、垢などを餌に繁殖します。
たった1gの餌で、約300匹のダニが生息できるそうです。
人を刺すことはありませんが、糞や死骸がアレルギー性疾患の原因となります。
餌 | ほこり、人のフケ、汗、垢などの有機物など |
生息場所 | カーペット、布団、枕、ソファーなどの布製品など |
ツメダニ
ツメダニは、体長0.3~1mm程度でヒョウダニなど、他のダニを餌とするダニのことです。
梅雨や秋口、他のダニが繁殖する時期に増殖。
稀に人を刺し体液を吸うことがあり、刺咬症の原因になることもあります。
餌 | 他のダニ、チャタテムシなど |
生息場所 | カーペット、畳(他のダニの生息地)など |
カツオブシムシ
カツオブシムシは体長3~5mm程度の甲虫です。
成虫は屋外に生息していますが、産卵のために外に干している衣類や、外出した後の服から屋内に侵入します。
成虫はカーペットを食すことはありません。
ですが、幼虫はカーペットや衣類に使われる天然繊維を食します。
カーペットに虫食いの被害はあるものの、人体には無害な昆虫です。
餌 | 衣類、天然繊維(ウールや綿など)、動物性乾燥食品(鰹節など) |
生息場所 | タンス、戸棚、衣装ケースなどの暗い場所 |
カーペットに発生したダニを駆除する方法
カーペットに発生したダニを退治する方法について解説します。
カーペットを退治するときは以下の3つの手順で行ってください。
- カーペットに掃除機を掛ける
- ダニを駆除する
- カーペットに掃除機を掛ける
①カーペットに掃除機を掛ける
ダニを駆除する前に、まずはカーペットに付着しているゴミを掃除機で吸い取ります。
カーペットに掃除機を掛ける1時間ほど前から、部屋を暗くしておきましょう。
ダニは暗いところを好むため、部屋を暗くすることでダニがカーペット表面に出てきやすくなります。
カーペットを掛けるときは、裏表両面に掃除機を掛けてください。
②カーペットのダニを駆除する
カーペットの汚れを落としたら、ダニを駆除をおこなっていきます。
虫やダニが苦手とするのは、熱と乾燥です。
ダニは湿度60%以下の環境では繁殖できません。また、温度50度以上の環境で死滅します。
ここでは、カーペットのダニ退治をするときに使えるアイテムを紹介します。
■ダニ退治に使えるアイテム■
- スチームアイロン
- 乾燥機
- ホットカーペット
スチームアイロン
最も手軽で使いやすいのがスチームアイロンです。
スチームアイロンは低温で80~120度、高温だと180~210度にもなります。
スチームアイロンは衣類が傷みにくい加工が施されているため、カーペットも毛足を傷める心配が少ないです。
カーペットの種類によっては、アイロン処理が負荷の場合があります。
スチームアイロンを使用する前に、必ずカーペットの洗濯表示をご確認ください。
スチームアイロン 処理不可 |
アイロン処理不可 |
出典:消費者庁HP.「洗濯表示(平成 28年12月1日以降)」.
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
※カーペットに上記のようなマークがある場合は、アイロンによるダニ駆除をおこなうことができません。
■アイロンを使った駆除方法■
アイロンを掛けて問題ない場合は、固く絞った濡れタオルをカーペットに被せます。
アイロンを100度以上に設定し、カーペットに蒸気を当てていきましょう。
1か所あたり30秒を目安に、ゆっくりとアイロンを掛けてください。
アイロンが手元にない場合は、ドライヤーの温風を使うのも効果的です。
乾燥機
布団乾燥機やコインランドリーの乾燥機も、ダニ退治に効果的です。
布団乾燥機の温度設定は50~60度以上となっており、ダニを死滅させることができます。
また、コインランドリーの乾燥機は標準で70度となっているため、ダニ退治に効果的です。
乾燥機を使用する前に、カーペットの洗濯表示をご確認ください。
乾燥機使用不可 |
※上記のような洗濯表示が書かれている場合は、タンブル乾燥処理ができません。
また、大きいサイズのカーペットはコインランドリーの洗濯槽に入らないことがあります。
必ず、乾燥機の指示に従ってください。
■布団乾燥機を使った駆除方法■
カーペットの上に布団乾燥機を乗せて使用します。
布団乾燥機の熱が逃げないよう、カーペットの上に掛け布団などを被せてください。
30分以上熱風を送れば、ダニ駆除完了です。
この方法なら、カーペットと掛け布団のダニ対策を同時におこなうことができます。
ホットカーペット
ホットカーペットの中には、ダニ退治機能が付いているものもあります。
高温設定でも40~45度程度のためダニ処理に時間がかかってしまいますが、温度が低い分カーペットへのダメージが少なくすみます。
■布団乾燥機を使った駆除方法■
ホットカーペットの上にカーペットを乗せます。
ホットカーペットを「ダニ退治モード」に設定し、40分以上運転してください。
ダニ退治モードがない場合は、一番高い温度設定で運転しましょう。
ホットカーペットでダニ退治をするときは、ホットカーペット対応となっているカーペットをお選びください。
③掃除機を掛ける
ダニ退治は、ダニを死滅させて終わりではありません。
ダニの死骸や糞はアレルギー性疾患の原因となるため、退治した後はしっかり取り除く必要があります。
ダニを死滅させた後、再度カーペットに掃除機を掛け直しましょう。
カーペットの毛並みを起こすイメージでゆっくり掃除機を掛けてください。
洗えるカーペットをであれば、染みついた皮脂や汗などの汚れも落とすことができます。
ダニ退治が終わった後、洗濯表示の指示に従い水洗いをしてください。
カーペットのダニ予防方法
カーペットにダニが繁殖しないようにするためには、日ごろからお手入れをすることが大切です。
カーペットのダニ予防方法について解説いたします。
餌対策
ダニの餌となるホコリや皮脂などの汚れを取り除くことで、ダニを繁殖を抑制することができます。
カーペットは、週に2~3回のペースで掃除機を掛けましょう。
ゆっくり毛並みを起こすように掃除機を掛けることで、毛足の奥まできれいにすることができます。
ダイニングやリビングなど、飲食をするスペースに敷いているカーペットはとくに汚れやすいです。
食べこぼしはダニの餌となりやすいため、食べ物をこぼしたときは必ず拭き取てください。
また、カーペットは裏面も汚れています。
カーペットをめくって裏面やフローリングにも掃除機を掛けるようにしてください。
水に強いカーペットであれば、水洗いや水拭き掃除も効果的です。
水洗いをする際は、カーペットに湿気が残らないよう乾かしきりましょう。
湿度対策
カーペットのダニ予防で大切なのは、湿気を溜め込まないことです。
とくにカーペットとフローリングの間は、通気性が悪く空気がこもりやすくなっています。
時折カーペットをめくって、裏面に風を通すようにしましょう。
寝る前にカーペットを半分めくって通気し、翌日の夜は反対側をめくって寝るようにすると、簡単に湿気を取り除くことができます。
湿度の高い梅雨から夏にかけては、扇風機でカーペットの裏面に風を送るのも良いでしょう。
当店おすすめ防ダニカーペット
カーペットのダニ対策としておすすめなのが、防ダニ機能付きのカーペットです。
防ダニカーペットにはダニを殺す成分ではなく、ダニを寄せ付けない(忌避)成分が使用されています。
ダニの死骸も発生しないため、アレルギー予防にも最適です。
本記事のまとめ
本記事ではカーペットのダニ退治方法と予防方法について解説いたしました。
カーペットに繁殖するダニは、アレルギー性疾患の原因となったり、人を刺したりする可能性があるため駆除が必要です。
カーペットに発生したダニを死滅させた後は、必ず掃除機で吸い取るようにしましょう。
ダニは高温多湿で有機物のある場所を好みます。
ダニが繁殖しないよう日頃から湿気対策や掃除をおこなうことが大切です。
また、防ダニ機能がついたカーペットなら、敷くだけでカーペットのダニ対策をすることができます。
天然成分を使用しているため、赤ちゃんやペットの身体にも優しいです。