毎日肌に触れて使用するカーペットは、汚れが付着しやすいインテリアアイテムのひとつ。
日頃からお手入れを心がけることで、カーペット長く清潔にお使いいただくことができます。
カーペットに書かれている洗濯表示の指示に従い、クリーニングをおこなってください。
本記事ではカーペットや絨毯を自分でクリーニングする方法について解説いたします。
カーペットを自宅でクリーニングする前に
カーペットは自宅でもクリーニングが可能です。
ですが、素材や製法によって、お手入れ方法が異なります。
カーペットのクリーニングを始める前に、まずはカーペットの洗濯表示をご確認ください。
▼カーペットの洗濯表示例
水洗い不可 |
桶に×印が描かれているマークは、ご家庭で水洗いすることはできません。水洗い不可のカーペットは、拭き掃除をおこなうか、クリーニング店に相談してください。 |
手洗い可 |
桶と手が描かれているマークは、手洗いによる洗濯処理ができることを意味しています。バスタブを使って踏み洗いを実施しましょう。洗濯の液温は40度を限度としてください。 |
洗濯機洗い可 |
桶のみ、または桶に数字が描かれているマークは、洗濯機で洗濯処理をおこなうことができます。桶の中に書かれている数値は、洗濯液温の上限です。桶の下に直線や2本線が描かれているときは、弱い洗濯処理をおこないます。 |
出典:消費者庁HP.「洗濯表示(平成 28年12月1日以降)」.
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
カーペットが水洗いできるときは、洗濯処理をしてカーペットを綺麗にしましょう。
洗濯表示によって、手洗いと洗濯機洗いをお選びください。
水洗いできないカーペットは、拭き掃除でクリーニングをします。
次の章からは、具体的なカーペットのクリーニング方法について詳しく紹介します。
カーペットのクリーニング方法①拭き掃除
水洗いが難しい敷き込みカーペットや、水洗い不可のカーペットは、拭き掃除でクリーニングをします。
もちろん、洗濯できるカーペットを拭き掃除いただいても問題ありません。
水洗いよりも手軽に実行できるので、日々のお手入れの一環として実施してみてください。
■準備するもの■
- 掃除機
- 雑巾
- ぬるま湯(40度以下)
- 衣類用中性洗剤
カーペットのクリーニングに使用する洗剤は、繊維への負担が少ない衣類用の中性洗剤がおすすめです。
デリケートな素材のカーペットは水拭きや、中性洗剤を使用することによって色落ちする可能性があります。
必ず目立たないところで試し拭きをおこなってください。
また、皮脂汚れやカビなど酸性の汚れには重曹も効果的です。
重曹を使ったカーペットのお手入れ方法については、こちらの記事をご確認ください。
掃除機を掛ける
カーペットの拭き掃除をおこなう前に、まずは掃除機で汚れを落とします。
毛足を傷めないよう、回転ブラシはオフにしておきましょう。
過ごす時間の長い場所、飲食をする場所は汚れやすいので入念に。
1㎡当たり20秒を目安に、ゆっくり丁寧に掃除機を掛けていきます。
カーペットは表面だけでなく、裏面や、カーペットを敷いている床面にも掃除機を掛けてください。
拭き掃除をする
掃除機で大まかに汚れを落としたら、拭き掃除をしましょう。
ぬるま湯に雑巾を浸し、固く絞ります。
毛並みにの流れに沿って、優しくカーペットを拭いていきましょう。
擦りつけたりせず、ぽんぽんと叩くように拭いてください。
中性洗剤を使用できる場合は、ぬるま湯に数滴中性洗剤を加えると汚れ落ちが良くなります。
その後、きれいなぬるま湯に浸して絞った雑巾で拭き、洗剤をよく落としてください。
水拭きのあとは、乾いた雑巾で乾拭きをします。
乾拭きをするときは、倒れた毛並みを立てるように拭いていきましょう。
毛並みを起こし、毛足の奥に入り込んだ水分を吸い取ることができます。
湿気を取り除く
乾拭きで水分を取り除いた後は、カーペットの湿気を取り除きましょう。
窓を開け、新鮮な空気を室内に取り込みカーペットの湿気を飛ばします。
梅雨時期や雨の日には、除湿器や扇風機が便利です。
サイズの小さなカーペットは、裏返して陰干しすると早く乾かすことができます。
※カーペットが生乾きだと悪臭の原因になるため、しっかりと乾かしきってください。
カーペットのクリーニング方法②洗濯機洗い
続いて、洗濯機洗いができるカーペットのクリーニング方法を紹介します。
洗濯機を使用して洗うことができるため、他のクリーニング方法よりも手間がかかりません。
■準備するもの■
- 掃除機
- 洗濯機
- 洗濯ネット
- 衣類用中性洗剤
ドラム式の洗濯機は、洗浄力の高いためカーペットの毛足を傷める可能性があります。
カーペットを洗濯するときは、縦型の洗濯機をご使用ください。
ご自宅での洗濯が難しい場合は、コインランドリーを活用しましょう。
カーペットに湿気が残っていると、雑菌が繁殖し、悪臭やカビの原因になります。
カーペットは乾燥までに時間がかかるため、午前中から作業をスタートしてください。
①掃除機を掛ける
洗濯機で洗う前に、カーペットに付着したほこり・汚れを落とします。
カーペットの表面と裏面の両面に、丁寧に掃除機を掛けてください。
②カーペットを折りたたむ
洗濯機でカーペットを洗う際は、カーペットの畳み方に注意が必要です。
カーペットを洗濯機で洗浄すると、毛足が傷む、滑り止めが強く当たって洗濯機がうまく回転しないなどのトラブルが発生することがあります。
毛足を傷めないためにも、カーペット表面が内側になるよう折りたたんでください。
また、毛足の保護、そしてトラブル防止のために、カーペットを洗濯機であらうときは洗濯ネットを利用すると安心です。
ホームセンターや家具インテリアショップに、カーテンや布団カバーなども洗える大判洗濯ネットが数百円で販売されています。
新調する必要があるかもしれませんが、トラブル予防のお守りに洗濯ネットをご使用ください。
③洗濯機を回す
準備が整えば、いよいよカーペットを洗濯機で洗います。
カーペットは大物洗いコースで洗濯します。
水量は最大、水温は30度を目安に洗いましょう。
洗剤は、繊維に優しいおしゃれ着用中性洗剤がおすすめです。
ふんわりとした毛並みに仕上げたいときは、柔軟剤も投入しましょう。
脱水後にカーペットを洗濯機に放置すると、折れ癖や生乾き臭の原因となります。
脱水が完了したら、すぐに干す作業に取り掛かってください。
④陰干しする
脱水処理ができたら、洗濯表示の指示通りにカーペットを乾燥させます。
乾燥機の処理に関する洗濯絵表示は以下の通りです。
乾燥機不可 |
乾燥機に×印が書かれている場合は、乾燥機による処理はできません。 |
低温乾燥可 |
乾燥機に黒点が1つ書かれている場合は、低温の乾燥処理ができます。排気温度の上限は最高60度としてください。 |
高温乾燥可 |
乾燥機に黒点が2つ書かれている場合は、高温の乾燥処理ができる。排気温度の上限は最高80度としてください。 |
乾燥機が使用できるものは、そのまま乾燥機でカーペットを乾かして問題ありません。
乾燥機が使用できないカーペットは、自然乾燥で乾かしましょう。
自然乾燥させる方がカーペットのダメージは少ないため、長く愛用したいなら自然乾燥の方がおすすめです。
乾燥機が使用できないときは、風通しが良く、直射日光の当たらない場所に干してカーペットを乾燥させてください。
直射日光に当たると退色や傷みの原因になるため、カーペットは裏返した状態で干しておきます。
カーペットを干している間に、室内を換気し掃除機を掛けておきましょう。
カーペットのクリーニング方法③手洗い
大きく洗濯機に入らないほど大きなカーペットや、手洗い可能なカーペットは、浴槽を使って手洗いをします。
■準備するもの■
- 掃除機
- 雑巾
- ぬるま湯(40度以下)
- 衣類用中性洗剤
カーペットを乾かす時間を確保するためにも、手洗いは朝の早い時間から作業をスタートしましょう。
①掃除機を掛ける
まずはカーペットに掃除機を掛けていきます。
カーペットの裏表両面、そしてカーペットを敷いている床面に掃除機を掛けましょう。
②拭き掃除する
手洗いは、洗濯機で洗うよりも洗浄力が弱いです。
目立つ汚れや染みがあるときは、拭き掃除をして取り除いておきましょう。
汚れが気になる部分を水で濡らし、中性洗剤を塗布します。
その後、雑巾で汚れを吸い取ってください。
③つけ置きする
手洗いをする前に、カーペットをつけ置きすることで汚れを落としやすくなります。
浴槽にたっぷりとお湯を張り、中性洗剤を投入しましょう。
湯量の目安は、折り畳んだカーペットが隠れるくらいの量です。
お湯を張った浴槽に折りたたんだカーペットを入れ、1~2時間ほどつけ置きします。
カーペットは、汚れている部分(主に表面)が外側になるように折りたたんでください。
④踏み洗いする
つけ置きできたら、踏み洗いでカーペットの汚れを落とします。
体重をかけ、カーペット全体を満遍なく踏みましょう。
踏み洗いの途中でカーペットを裏返し、裏表全体の汚れが取れるようにしてください。
※水分を含んだカーペットはかなりの重量があります。
カーペットを裏返す作業は身体への負担が大きいため、ご家族の方に協力していただくのも一案です。
⑤すすぎ作業をする
踏み洗いで汚れを落とした後は、すすぎ作業をおこないます。
お風呂の水を流した後、カーペットを足で踏み、カーペット内に含まれた水分も抜いていきましょう。
シャワーを掛けて浴槽の洗剤を流したら、再度きれいなお湯を注いで足で踏んでいきます。
この作業を繰り返し、カーペット内の汚れと洗剤を落としてください。
カーペットに洗剤が残っていると染みなどの原因となります。
最低でも3回はすすぎ作業を繰り返し、洗剤を落としきるようにしましょう。
浴槽の水が濁らなくなれば、すすぎ作業は終了です。
⑥脱水する
綺麗になったカーペットは、干す前に脱水作業をおこないましょう。
浴槽の水を抜いてカーペットを踏んで脱水をします。
その後、バスタブの縁にカーペットを掛けて、水気を切ってくだい。
目安はカーペットから水滴が落ちてこなくなる程度です。
水分を含んだカーペットは重いので、持ち運べる重さになるまで脱水をおこなっても良いでしょう。
また、洗濯機の脱水機能を活用すると、作業時間を短縮できます。
長時間脱水するとカーペットが傷むため、30秒程度にとどめてください。
⑦陰干しする
脱水が完了したカーペットは、陰干しで完全に乾かします。
風通しの良い日陰に、カーペットを裏返した状態で干してください。
カーペットの中に空気の通り道を作ると、早く乾燥させることができます。
洗濯竿が2本ある場合は、M字干しがおすすめです。
1日でカーペットが乾かない場合は、翌日も陰干しをおこなってください。
カーペットが汚れたときの対処法
ここでは、水性と油性の汚れ別に、カーペットが汚れたときの対処法について紹介します。
汚れ落としは、時間との勝負。
カーペットに汚れが付着したときは、速やかに拭き取りましょう。
水性汚れ
水に溶けやすい水性の汚れは、汚れの中でも比較的落としやすいと言われています。
お茶やジュース、コーヒーなどは、水性の汚れです。
■水性汚れの例■
コーヒー・お茶・ジュース・アルコール類・醤油など
液体をこぼしてしまったときは、キッチンペーパーやティッシュですぐに汚れを拭き取りましょう。
ゴシゴシと擦ったりせず、上から押し付けるようにして汚れを吸い取ってください。
その後、汚染部分に少しずつぬるま湯を掛け、きれいな雑巾で叩いて汚れを移します。
3~4回この作業を繰り返しましょう。
それでも汚れが落ちないときは、衣類用の中性洗剤を使用します。
中性洗剤を溶かしたぬるま湯に雑巾を浸して固く絞り、叩くように拭き取ってください。
汚れが落ちたら、繊維の流れに沿って水拭きをして洗剤を落としましょう。
最後に、乾いた雑巾で水分を取り、カーペットを乾かせば汚れ落とし完了です。
油性汚れ
汚れを落としにくいと言われているのが、油性の汚れです。
ケチャップやマヨネーズなど、食品類に多く含まれます。
■油性汚れの例■
皮脂・ケチャップ・マヨネーズ・チョコレート・カレーなど
油性汚れが付着した時は、スプーンなどで汚れを取り除きます。
大体の汚れを拭き取ったら、タオルやティッシュペーパーでできる限り汚れを摘まみ取りましょう。
その後、水拭きで汚れをさらに落とします。
中性洗剤を薄めたぬるま湯に雑巾を浸して固く絞り、汚れを叩くように拭き取ってください。
汚れを取り除いたら、ぬるま湯を絞った雑巾で水拭きして洗剤を落とします。
乾いた雑巾で水分を拭き取り、カーペットを乾燥させれば拭き掃除完了です。
ご自宅でクリーニングをしても汚れを落とせないときは、買い替える前に一度クリーニング店にご相談ください。
本記事のまとめ
本記事ではカーペットを自力でクリーニングする方法について解説してきました。
カーペットは自宅でクリーニングすることができます。
お手入れを始める前に、必ず洗濯表示をご確認ください。
水洗いできないカーペットは拭き掃除をおこないます。
水洗い可能なカーペットは、洗濯機やバスタブを使ってクリーニングをしましょう。
定期的にクリーニングをしておくことで、カーペットを長く美しく使用できます。