カーペットは、端部のほつれを防止するために様々な『ふち加工』が施されています。
オーバーロック加工も、そのうちのひとつ。
カーペットをスマートに見せつつ、端のほつれを防止し耐久性を高めてくれます。
本記事ではオーダーカーペットのショップ店員が、カーペットのオーバーロック加工について解説いたします。
オーバーロック加工とは
オーバーロック加工とは、カーペットのふち加工の一種です。
専用のオーバーロックミシンを使い、端を丁寧に織り上げています。
一般的に、カーペットのパイル(毛足)に近い色のロック糸で縫い上げることが多いです。
カーペットのふち加工の種類
カーペットのほつれを予防する加工は、オーバーロック加工以外にもいくつかあります。
カーペットのふち加工の主な種類は、主に『オーバーロック』『テープロック』『巾広テープ加工』の3つです。
▼カーペットの縁加工の種類▼
オーバーロック |
カーペットの端をパイルと同色系の糸で縫い上げ加工したもの。ベーシックなロック加工。 |
テープロック |
カーペットの端を細いテープで加工したもの。ラグマットに多い。 |
ヘム加工 |
カーペットの端を巾広のテープで加工したもの。巾広テープ加工とも言う。 |
オーバーロック加工のメリット
ロック加工の中で最もオーソドックスなのが、オーバーロック加工です。
オーバーロック加工のメリットは以下の4つになります。
- ほつれにくく丈夫
- 見た目がすっきりする
- 対応しているカーペットが多い
- カラーが選べる敷物もある
この章では、オーバーロック加工のメリットについて解説いたします。
ほつれにくく丈夫
オーバーロック加工の一番のメリットはほつれにくいこと。
切りっぱなし(ロック加工なし)状態のカーペットは、すぐにほつれてしまいます。
オーバーロック加工は、カーペットの端を丁寧に縁を縫い上げているため、ほつれにくく耐久性も高いです。
カーペットを長くご愛用したい方は、オーバーロック加工のカーペットを選ぶと安心でしょう。
見た目がすっきりする
カーペットの端をに縫い上げることで、見た目がすっきりすることもメリットとして挙げられます。
オーバーロック加工は、カーペットのふちを縫い上げたシンプルなデザイン。
カーペットのデザインや風合いを損ねることなく、端部のほつれを予防することができます。
オーバーロック加工は、基本的にカーペットのパイルと同じ糸や同系色の糸が使用されます。
また、縁のデザインもシンプルなためインテリアコーディネートしやすく、どんなお部屋にもなじんでくれることでしょう。
また、テープロック加工やヘム加工は、ふち加工とパイル糸とのコントラストをつけるのが一般的。
オリジナリティやデザイン性が高い反面、存在感が増してしまうことから、シンプルなカーペットをお求めの方には合わないかもしれません。
シンプルがお好きな方は、オーバーロック加工のカーペットをお選びください。
対応しているカーペットが多い
テープロック加工やヘム加工は対応していないカーペットも多いです。
一方、オーバーロック加工は一番オーソドックスなふち加工。
そのため、多くのカーペットがオーバーロック加工に対応しています。
円形・凹凸加工などの変形オーダーカーペットでも、オーバーロックなら加工可能です。
ふち加工の種類選びに迷ったときは、ひとまずオーバーロック加工をお選びください。
カラーが選べる敷物もある
オーバーロック加工で使用される糸は、カーペットと同系色が基本です。
しかし、一部のカーペットでは、オーバーロック加工で使用する糸の色をお選びいただけます。
(例えば、ベージュのカーペットに黒色の糸でロック加工するなど。)
他の家具と色を揃える、アクセントカラーとして華やかな色を使用するなど、インテリアアレンジをお楽しみいただけるのもメリットです。
カーペットのオーバーロック加工の注意点
カーペットの端のほつれを予防するオーバーロック加工ですが、メリットばかりではありません。
ここからは、オーバーロック加工をする際に、注意しておかなければならないことについて解説いたします。
持ち込みでの加工は難しい
柱の凹凸や部屋の形状に合わせてカットした場合や、切りっぱなしのカーペットを購入した場合など、あとからオーバーロック加工の施工をしたくなることもあると思います。
しかし、一度購入したカーペットを、持ち込みでオーバーロック加工してもらうことは難しいです。
カーペットの加工専用業者であれば引き受けている店舗もありますが、数が少ない上に、新品カーペットのオーバーロック加工よりも費用が掛かりることもあります。
また、梱包や配送などの手間も考慮すると、持ち込みでオーバーロック加工を施してもらうのはあまりお勧めできません。
カーペットをオーバーロック加工にしたい場合は、購入してから持ち込むのではなく、最初からオーバーロック加工がついているカーペットをご購入ください。
有料の場合もある
もともとオーバーロック加工が施されているカーペットであれば、追加料金は発生しません。
ですが、切りっぱなしカーペットやオーダーカーペットにオーバーロック加工を施す場合は、有料となってしまうこともあります。
その他、もともとテープロック加工やヘム加工のカーペットだと、オーバーロック加工に変更するには料金がかかることも多いです。(変更を受け付けていない場合もあります。)
カーペットを注文する前に、オーバーロック加工の有無と料金設定をあらかじめご確認ください。
縁加工の方法が変わるケースもある
オーバーロック対応のカーペットでも、カーペットのサイズなどによって対応している縁加工が変わることがあるため注意が必要です。
- 3畳までのサイズならテープ加工、3畳以上ならオーバーロック加工
- サイズ加工なしの場合はテープ加工、加工ありの場合はオーバーロック加工
など、カーペットのサイズや加工の有無によっては、オーバーロック加工に対応していないことがあります。
カーペットのふち加工にこだわりのある方は、欲しいサイズや加工方法のときにオーバーロック加工対応となっているのか確認しておきましょう。
カットするとほつれてしまう
オーバーロック加工は、カーペットの端がほつれないための加工です。
そのため、オーバーロック部分を切断すると端からほつれてしまうことがあります。
部屋の形状に合わせてカーペットをカットする場合は、木工用ボンドを毛足の根元に塗ってほつれを予防しましょう。
ボンドの量が多いと手触りが硬くなってしまいますので、適度に量を調節してください。
カーペットを自力でカットするのではなく、サイズオーダーや凹凸加工が可能なサイズオーダーカーペットを注文するのも一案です。
専門店にサイズ加工を依頼することで、カーペットを部屋の間取りにぴったりと合うオーバーロック加工のカーペットを敷き込むことができます。
当店フロムフロアなら、カーペットのサイズオーダーはもちろんのこと、凹凸カットや角カットなどもご注文可能です。
お部屋の間取りにぴったりと合う、ジャストサイズのオーバーロック加工カーペットをお仕立て致します。
オーバーロック加工のオーダーカーペット
この章では、当店自慢のオーバーロック加工のサイズオーダーカーペットを紹介いたします。
当店フロムフロアは、オーダーカーペットの専門店。
お客様のご希望の形状・サイズにカーペットをカットをした後、丁寧にオーバーロック加工を施します。
一部の商品は、ロック加工の糸色の変更や、テープ加工などへの変更が可能です。気になる方は、お気軽に店舗にお問い合わせください。
ライーム
ベーシックなデザインの高機能カーペット『ライーム』。
遊び毛が出にくく、耐久性に優れるBCFナイロンを使用しております。
撥水・防ダニ・抗菌機能が備わった清潔性を重視した一枚です。
オーバーロック加工の糸色を全8色から無料で指定できます。詳しくは当店にお問い合わせください。(2024年6月現在)
アレグロ
インテリアになじむニュートラルカラーのカーペット『アレグロ』。
ポリウレタン樹脂を発泡させたフォーム層「カンガバック」を使用することで、高い弾力性・防音性を発揮します。
遮音等級LL-35と最上位クラスの防音機能を備えているため、マンションや集合住宅の騒音対策にも最適です。
オーバーロック加工の糸色を全8色から無料でご指定いただけます。詳しくは当店にお問い合わせください。(2024年6月現在)
バンジュ
強力撥水と防汚機能が付いたメンテナンスしやすいオーダーカーペット『バンジュ』。
一部のみ切りっぱなしにしてほしいなど、部分的なロック加工の希望も承ります。
注文最大サイズより大きい場所に、2枚のカーペットを繋げて敷き込むことも可能です。
ジョイント部分のみオーバーロック加工なしでご注文いただくと、継ぎ目が美しく繋がります。
ご注文の際は、備考欄にその旨をご記入いただき、サイズ申込用紙にロック加工する部分としない部分をご記載ください。
メリノホテル
上質なウールを使用したカーペット『メリノホテル』。
繊維が細くしなやかなメリノウールと、繊維が細く柔らかなファーストラムウールをブレンド。
防汚性や強度、断熱性などウール本来が持つ機能に加え、贅沢感を味わえる抜群の肌触りを実現しました。
オーバーロック加工の糸色変更はできませんが、有料でテープロック加工への変更を受け付けています。詳しくは当店にお問い合わせください。
オーダーカーペットをさらに見たい方は、こちらからご覧ください。
本記事のまとめ
本記事ではカーペットのオーバーロック加工について解説いたしました。
オーバーロック加工とは、カーペットの縁加工の一種です。
カーペットの縁を丁寧に縫い上げることで、ほつれなどを予防する効果があります。
一度購入したカーペットに後からオーバーロック加工を施すことは難しいです。
カーペットを注文する際にあらかじめご確認ください。
アレンジメントを楽しみたい方は、色指定ができるオーバーロック加工のカーペットを選びましょう。