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和室に敷き詰めるカーペットの選び方と注意点

和室に敷き詰めるカーペットの選び方と注意点

日本人に馴染み深い、畳の和室。

そんな畳の上にカーペットを敷き詰めれば、手軽に和室の模様替えや、畳の日焼け・傷予防をすることができます。
一方で、畳の上にカーペットを敷くと、湿気やダニ・カビなどのトラブルが心配な方も多いのではないでしょうか。

畳の上に敷き込むカーペットは、畳との相性を考慮して選びましょう。

本記事では、敷物専門店が和室に敷き詰めるカーペットの選び方や注意点について解説いたします。

和室の畳にカーペットを敷き詰めるのはNG?

畳が敷かれた和室

畳とカーペットの相性は、決して悪いものではありません。
基本的に、カーペットは畳の上に敷いてお使いいただくことができます

筆者も長年畳の上にカーペットを敷き込んでいますが、問題なく使用できていました。
カーペットが薄手だったことや、風の通りやすい部屋だったこともトラブルが少なかった要因のひとつだと思います。

しかし、カーペットは本来フローリングの上に敷くもの。
そのため、すべてのカーペットが畳の上で使用できるわけではありません。

例えば、通気性の良くないカーペットを敷きっぱなしにして使用すると、カビやダニが繁殖してしまうことがあります。

敷き詰めカーペットは、畳全体を覆ってしまうことになりますので

和室にカーペットを敷き詰める場合は、カーペットの選び方や使用方法に気をつけましょう

カーペットを和室に敷き込いたときに発生しやすいトラブル

ウィルトン織りカーペット

畳に使用されている「い草」は、呼吸する素材とも言われています。
湿度が高いときは吸湿し、乾燥していると湿気を発散する調湿性に優れた素材です。

日本でい草の畳が普及したのは、高温多湿な日本の気候に合致していたのも大きな要因でしょう。

しかし、畳の上にカーペットを敷いてしまうと、吸収した湿気を発散することができません。
湿気の逃げ道が塞がれ、畳とカーペットの間に湿気がこもりやすくなります

畳の上にカーペットを敷いてお使いいただくこともできますが、リスクが伴うという事も知っておきましょう。

ここでは、畳の上にカーペットを敷いたときのリスクについて解説いたします。

ダニ・カビが発生する

カーペットを和室で使う際に一番気をつけたいトラブルは、ダニ・カビの発生です。

ダニやカビは、温度20~30度、湿度60%以上の高温多湿で栄養(ホコリなどのごみ)のある環境を好みます。

通常であれば、畳は湿気を逃す性質があるため問題ありません。
ですが、和室にカーペットを敷き詰めると、カーペットと畳の間に湿気がこもってしまいます。

そのため、カーペットを敷いている部分にダニやカビが繁殖しやすくなってしまうのです

畳の劣化を早める

小さいサイズのラグは、畳に敷いてからも掃除や洗濯で移動させることがあります。
しかし、敷き詰めのカーペットはサイズが大きいため、一度設置すれば敷いたままにされていることが多いです。

カーペットが敷き詰められた状態が続くと、先ほど説明した通り内部にこもる湿気が逃げにくくなります。

湿気のこもりやすい環境は畳にとって良いものではありません。

ダニやカビが発生するだけでなく、畳の劣化を招くこともあります。
特に新品の畳は内部に水分を豊富に含んでいるため、より注意が必要です。色ムラなどが発生しやすくなります。

また、万が一、カビやダニの被害が畳にまで及ぶと、畳の張り替えが必要になるかもしれません

畳やカーペットにカビが繁殖しないよう、日頃から湿気対策やこまめな掃除を心がけましょう。

和室にカーペットを敷くメリット

一方で、畳の上にカーペットを敷き詰めることで、さまざまな恩恵を受けることができるのも事実です。

和室にカーペットを敷き詰めるメリットには、以下のようなものがあります。

  • 和室を洋室にアレンジできる
  • 畳の傷予防
  • 畳の日焼け予防

和室を洋室にリフォームするとなると、大掛かりな工事が必要です。
和室にカーペットを敷き詰めれば、手軽に畳を隠して洋室のような雰囲気に替えることができます。

畳の保護ができるという点も、カーペットを敷く大きなメリットと言えるでしょう。
カーペットを敷いておくことで、家具を畳の傷や日焼けを予防することができます。

畳に敷き詰めるカーペットの選び方

カーペットの上を歩く人

畳に敷くカーペットは、フローリングに敷くカーペットと選ぶ基準が少し異なります。

畳の上に敷く敷き詰めカーペットを選ぶときは、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 通気性の良さ
  • 防ダニ・抗菌機能
  • 色選び
  • サイズ

ここからは、畳に敷き詰めるカーペットの選び方について解説いたします。

通気性の良さ

36万ノットのウィルトン織りカーペット

畳に敷き詰めるカーペットは、通気性の良いものを選びましょう。

通気性の良いカーペットの特徴は以下の通りです。

  • 薄手のカーペット
  • 裏面が不織布やジュート張り
  • 織物カーペット(ウィルトンなど)
  • ウール素材のカーペット

裏面にゴム素材や接着剤、裏地が使用されているカーペットは、畳の呼吸を妨げてしまいます。

比較的通気しやすいのは、ジュートや不織布が貼られているカーペットです。
また、裏地のついていないウィルトン織りなどの織物カーペットも通気性に優れています。

調湿性の高いウール素材のカーペットも、畳の上で使用しやすいカーペットのひとつです。

防ダニ・抗菌機能

カーペットが敷かれた部屋でくつろぐ犬

畳の上で使用するカーペットは、機能選びにも注視しましょう。
長く清潔にカーペットを使用するために、防ダニ・抗菌などの機能が付いたカーペットをお選びください。

畳の上にカーペットを敷く場合、ダニ・カビの心配など、フローリングの上に敷いているときよりも気を使う場面が多くあります。

特に、サイズの大きい敷き詰めカーペットは、水洗いが困難なためお手入れも慎重にしなければなりません。

防ダニ・抗菌などの機能が付いたカーペットは、衛生的に使用しやすく畳の上でも使いやすいです。

色選び

おしゃれなオーバーロック加工カーペット『アレグロ』

敷き詰めカーペットの色は、部屋全体の印象を大きく左右します。

和室の風合いを生かすのであれば、ベージュやグリーンなどのアースカラーをお選びください。
原色よりも、くすみ感のある色をお選びいただくと和室に馴染みます。

和室との相性も重要ですが、目指すインテリアテイストに合わせることも大切です。
インテリアに重厚感を持たせたいときはダークブラウンなど落ち着いたトーンの色を、シンプルにまとめたいときにはアイボリーやベージュなど明るい色のカーペットをお選びください。

サイズ

敷き詰めカーペットを選ぶ際に重要になるのが、サイズです。

カーペットは畳のサイズが目安となりますが、畳の規格は地域や建物によって異なります。

▼カーペットの畳サイズ表▼

2畳 3畳 4.5畳 6畳 8畳 10畳 12畳
江戸間 176x176cm 176x261cm 261x261cm 261x352cm 352x352cm 352x440cm 352x522cm
中京間 182x182cm 182x273cm 273x273cm 273x364cm 364x364cm 364x455cm 364x546cm
本間 191x191cm 191x286cm 286x286cm 286x382cm 382x382cm 382x477cm 382x572cm

同じ8畳の和室であっても、江戸間と京間では大きさが全く異なります。
和室にカーペットを敷き詰める場合は、畳サイズで判断せず、必ず採寸を行ってください。

柱や凹凸がある部屋にカーペットを敷き詰めるには、変形加工が必要となります。
その場合は、変形カットが可能なオーダーカーペットをする、または一回り小さいサイズ(センター敷きサイズ)を選ぶのも一案です。

和室にカーペットを敷き詰める際の注意点

い草のカーペット

カビやダニを抑制し、快適に使うために以下のことに気をつけましょう。

  • 定期的に通気・換気する
  • 定期的にお手入れする
  • 新しい畳の上には敷き詰めない

それぞれについて詳しく解説いたします。

定期的に通気・換気する

ダニやカビは、高温多湿な環境を好みます。

ダニ・カビの繁殖を抑えるためには、カーペットと畳の間にこもる湿気を取り除くことが大切です。

窓を開けて風を通し、室内にこもった湿気を取り除きましょう。

カーペットを半分ずつめくり、カーペットの裏面や畳表面にこもった湿気を取り除きます。
風通しが悪いときは、エアコンの除湿機能や扇風機を使用するのも効果的です。

持ち運びが可能なサイズのラグであれば、風通しの良い場所で陰干しするとさらに湿気を取り除くことができます。

特に、高温多湿な梅雨から夏にかけては、湿気対策を怠らないようにしましょう。

定期的にお手入れする

ラグに掃除機を掛けているところ

ダニやカビは、食べこぼしや髪の毛、皮脂などの汚れを餌に繁殖します。

畳やカーペットを衛生的に使用するためには、ダニやカビの餌となる汚れを取り除いておくことが大切です。

カーペットは週に1-2回を目安に、掃除機を掛けましょう。
毛並みを起こすようにゆっくり丁寧に掃除機を掛けます。
時間に余裕のある時は、カーペットをめくって裏面や畳にも掃除機を掛けてください。

皮脂など、掃除機で落とすのが難しい汚れは水拭きで取り除きます。
水拭きをした後は、扇風機を掛けたり、換気するなどしてカーペットに水分が残らないよう注意してください。

新しい畳の上にカーペットを敷き詰めない

い草は吸湿性に優れた素材。
特に、青(緑)色をした新しいい草は、素材の中に水分を多く含んでいます。

そのため、カーペットで覆ってしまうと、湿気がこもってダニやカビが発生しやすいことがあるのです。
また、カーペットを敷いて呼吸を妨げると色ムラが発生することもあります。

い草が青々として新しい状態の畳には、カーペットを敷き込まないようにしましょう。

畳が緑から黄色に変化し、水分が飛んだ段階でカーペットを敷き込んでください。

和室に敷き詰めやすい防ダニカーペット

おしゃれなカーペット『ルーベル』が敷かれた部屋

当店フロムフロアは、オーダーカーペットの専門店。
追加料金なしで、オーダーサイズのカーペットをご注文いただけます。

柱や凹凸に合わせたカット加工も可能です。

最後に、オーダーカーペットの中から、和室でも使用しやすい防ダニ機能付きのカーペットをご紹介します。

本記事のまとめ

本記事では和室や畳に敷き詰めるカーペットの選び方について解説いたしました。

畳の上にカーペットを敷き詰めることで、和室を簡単に洋風にアレンジすることができます。
一方で、カーペットで覆うと、通気性が悪くなってしまうためダニやカビに注意が必要です。

和室に敷き詰めるカーペットは、通気性の良いものを選びましょう。
薄手のラグや、裏面が不織布・ジュートのカーペットや、織物カーペットが最適です。

和室は定期的に換気や通気をして、カーペットと畳の間に湿気がこもらないようにしてください。

ダニやカビは、食べこぼしや皮脂、髪の毛などを餌に繁殖します。
定期的に掃除機を掛けて、カーペットを衛生的に保ちましょう。

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