多くの衣料品に使用されるポリエステルは、私達にとって馴染み深い素材素材です。
丈夫で加工しやすことから、ラグやカーペットにもよく使用されています。
一方で、ポリエステル素材の特徴や、他の化学繊維との違について詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
本記事ではポリエステルラグの特徴やメリット・デメリットについて解説いたします。
ポリエステル素材とは?
ポリエステルは、石油を主原料として作られる合成繊維の一種です。
ナイロン、アクリルと並んで世界三大合成繊維のひとつとされています。
ポリエステルはその中でもトップの生産量を誇ります。
ポリエステルはの原料は、ペットボトルと同じポリエチレンテレフタラート(PET)が一般的。
ポリエチレンテレフタラートを高温で溶かし、ポリエステルの繊維が紡ぎ上げられます。
その過程で機能を加えたり、他の繊維と混ぜ合わせたりすることが可能です。
ポリエステルは豊かな色彩を表現でき、縮みや型崩れが発生しにくく、価格もリーズナブル。
その汎用性の高さから、カーペットや衣類、カーテンなど幅広い布製品に使用されている素材です。
ポリエステルラグ・カーペットの特徴・メリット
使い勝手が良く様々な布製品に使用されているポリエステル素材。
この章では、ポリエステル素材を使用したラグ・カーペットの特徴を解説いたします。
ポリエステルを使ったラグ・カーペットの特徴とメリットは以下の通りです。
- 摩擦に強く耐久性が高い
- 水に強く乾きやすい
- 害虫やカビに侵されにくい
- 価格がリーズナブル
- 混紡しやすい
それぞれ詳しくご説明いたします。
摩擦に強く耐久性が高い
ポリエステルは摩擦に強く耐久性も高いことが特徴です。
繊維の中で一番の耐摩擦力や耐久力を持つのはナイロン。
ポリエステルは、そのナイロンに次ぐ耐摩擦力や強度を持っています。
一方で、ポリエステルは一度へたってしまうと元に戻りにくいためご注意ください。
害虫やカビに侵されにくい
ポリエステルをはじめとした合成繊維は、石油を原料として作られています。
そのため、ウールなどの天然素材のラグに比べて害虫やカビの影響を受けにくいです。
ただし、ラグの表面に食べこぼしなどのゴミが付着していると、それらを餌としてダニやカビが発生する可能性があります。
ラグが汚れてしまったときは、速やかに掃除するよう心掛けましょう。
価格がリーズナブル
ポリエステルのカーペットは、天然素材やナイロンのカーペットと比べて価格がリーズナブルです。(当然、カーペットの密度や繊維の機能性などによっても値段は変わります。)
そのため買い替えを前提として購入したい方や、汚れが心配な方も安心してご使用いただけます。
リーズナブルな価格でも丈夫で長持ちするため、コストパフォーマンスが高い素材と言えるでしょう。
水に強く乾きやすい
ポリエステルは吸湿性が低いという特徴があります。
水に濡れても乾きやすく、水洗いできるカーペットも多いです。
洗えるカーペットの多くが、ポリエステル製やポリエステル混となっています。
安価で洗濯しやすいカーペットは、ペットや小さいお子様がいるなどカーペットの汚れが心配なご家庭にもおすすめです。
混紡しやすい
種類の異なる繊維を掛け合わせることを、混紡と言います。
複数の繊維を組み合わせることで、互いに欠点を補うことができるのです。
ポリエステルは他の素材と混紡しやすいこともメリットの1つ。
実用的なイメージが強いポリエステルも、天然素材と混紡することで風合い豊かなカーペットへと変身します。
お手入れや取り扱いが難しいウールも、ポリエステルと組み合わせることで扱いやすくすることが可能です。
ポリエステルの使い勝手の良さと、天然素材の風合いの良いところどりをすることができます。
混紡する素材によってカーペットの性質が大きく変わるため、ポリエステル混のカーペットを購入するときはどんな素材と組み合わせているのか確認するようにしましょう。
ポリエステルカーペットのデメリット
ポリエステル素材に大きなデメリットはありません。
ですが、ポリエステルの特性が、人によってはデメリットに感じられることもあります。
ここでは、ポリエステルカーペットを使用する際の2つのデメリットをご紹介します。
静電気を帯びやすい
1つ目のデメリットは、静電気を帯びやすいことです。
ポリエステル素材のラグやカーペットは、乾燥する季節になると静電気を帯びやすくなります。
空気が乾燥しやすい冬は、静電気によってカーペット表面に埃やゴミが付着しやすいです。
定期的に掃除機を掛けるようにし、清潔を保つようにしましょう。制電加工が施されたラグ・カーペットを選ぶのもおすすめです。
吸水性が低い
2つ目のデメリットは、吸湿性が低いことです。
吸水性が低いというポリエステルの特徴は、ポリエステルのメリットの1つとして紹介しました。
乾きやすく洗濯がしやすいという利点があるのですが、一方で吸水性の低さがデメリットに感じられる方もいます。
例えば、夏にポリエステルカーペットを使用する場合。
ポリエステルカーペットは調湿機能が備わっておらず、蒸し暑い季節に毛足の長いラグを使用するとべたついているように感じられるかもしれません。
また、カーペットと床の間に湿気がたまりやすくなります。
お手入れをする際に時々裏返したり、陰干したりすることで風を通すようにしましょう。
ポリエステル素材と他素材の比較
ポリエステル素材にはメリットやデメリットが様々あります。
ここでは、ポリエステルとカーペットに多い他の素材(ウール・コットン・ナイロン・ポリプロピレン・アクリル)の性能について比較をしていきます。
- 弾力性:踏み心地の良さ、クッション性
- 耐久性:へたりにくさ、摩擦への強さ
- 防汚性:汚れのつきにくさ、汚れの落としやすさ
- 断熱性:床からの冷えを防ぐ力
- 吸湿性:湿気を吸収する力、触り心地の良さ
上記の5つの条件で、ポリエステル素材と他の素材の性能を比較したものを表にまとめました。
■ラグ・カーペットの素材比較表■
弾力性 | 耐久性 | 防汚性 | 断熱性 | 吸湿性 | |
ポリエステル | ○ | △ | ○ | △ | × |
ウール | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
コットン | ○ | ○ | △ | ○ | ○ |
ナイロン | ◎ | ◎ | △ | △ | ○ |
ポリプロピレン | × | △ | ○ | △ | × |
アクリル | △ | △ | △ | ○ | △ |
ポリエステルは大きな欠点がなく、扱いやすいのが最大のメリットです。
ポリエステルの弾力や耐久性は、同じ合成繊維であるナイロンに劣ります。
一方、ポリエステルの方が値段は安価です。
買い替え前提でカーペットをお探しの方は、高価なナイロンラグよりもポリエステルラグを選ぶと良いでしょう。
また、ポリエステルはウールなどの天然素材に比べて吸湿性が低いため蒸れやベタツキが気になることもあります。
夏に使用したい場合は、毛足の短いものを選びましょう。
ポリエステル素材は乾きやすいため、洗えるラグであれば汗が付着しても丸洗いが可能です。
それぞれの素材のメリット・デメリットを比較しながら納得のいく1枚をお選びください。
ポリエステル素材のラグ・カーペット
ポリエステル素材を使ったラグやカーペットは、扱いやすく、リーズナブルで購入しやすいことがメリットです。
繊維技術の発展により、さまざまな機能・風合いを持つポリエステルのカーペットが開発されています。
ここでは、当店FROMFLOOR自慢のポリエステルカーペットをご紹介。
ベルベル
モロッカン風デザインのポリエステルラグ『ベルベル』。
菌やウイルス、花粉、生活臭などを軽減させる「エアクリーン加工」が施されています。
コローラ
遮音等級△LL(l)-6の防音ポリエステルラグ『コローラ』。
最高位クラスの防音機能付きですので、集合住宅の階下への騒音対策にも最適です。
リポット
ペットボトルのリサイクル繊維を使用したサスティナブルなラグ『リポット』。
再生ポリエステルは、強度・伸縮性・耐久性に優れています。手織りラグの豊かな風合いをお楽しみください。
アメラ
ペットボトルを原料とした再生ポリエステルと、天然素材コットンを織り交ぜた混紡ラグ『アメラ』。
ナチュラルで温かみのある雰囲気をお楽しみいただけます。
シリル
踏み心地の良いカット&ループパイルのポリエステルオーダーカーペット『シリル』。
繊細でボリュームのあるシャギーがお部屋を表情豊かに演出します。
ムーシャ 江戸間
太さの異なる毛足を組み合わせた表情豊かなシャギーカーペット『ムーシャ 江戸間』。
カーペットを清潔に保つ、防ダニ・低ホルムアルデヒド・アレルゲン抑制機能付き。小さいお子様のいるご家庭でも安心してご使用いただけます。
本記事のまとめ
本記事ではポリエステル素材のラグ・カーペットの特徴について解説いたしました。
ポリエステルは三大合成繊維の1つで、ラグやカーペット、カーテンなどインテリアファブリックに多く使用されている素材です。
ナイロンに次ぐ耐久性や耐摩擦力を持っています。
価格がリーズナブルでお買い求めやすいこともメリットのひとつです。
ポリエステルと天然素材の混紡ラグは、ポリエステルの扱いやすさと天然素材の豊かな風合いの両方をお楽しみいただけます。
機能やテクスチャが豊富なポリエステルのラグ・カーペットは、暮らしを豊かに彩ってくれることでしょう。