カーテンの裾が床に垂れるほど長くするスタイルを、ブレイクスタイルと言います。
日本ではあまりなじみがありませんが、ヨーロッパではよく見かけるカーテンスタイルの1つです。
カーテンの裾にボリュームが出て豪華な窓辺を演出できますが、反面デメリットがないか心配されている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、『カーテンの最適な長さ』と『カーテンの裾を床につけて楽しむブレイクスタイル』について解説いたします。
カーテンの最適な長さとは?
そもそも窓に設置するカーテンはどのくらいの長さが適切なのでしょう。
カーテンの適切な長さは窓の種類によって変わります。
まずは、ご家庭に多い掃き出し窓と腰高窓に設置するカーテンの最適な長さについて解説いたします。
【掃き出し窓】床より1~2cm短め
床から天井近くまで伸びている大きな窓が、掃き出し窓です。
ベランダや庭への出入りがしやすく、採光性や眺望性に優れています。
カーテンの丈は、カーテンレールの固定ランナーを基準に採寸をおこないましょう。
固定ランナーとはカーテンレールの両端に固定されている、カーテンフックを引っ掛けるための輪っかのことです。
掃き出し窓のカーテンは、「カーテンレールの固定ランナー下から床までの長さ」を採寸します。
採寸したサイズから1~2cm程度短い丈が、一般的なカーテンの注文丈です。
つまり、掃き出し窓のカーテンは床よりも1~2cm短い丈になります。
余談ですが、レースカーテンの丈はドレープカーテンよりも1cm短い丈で注文しましょう。
ドレープカーテンの裾からレースカーテンがはみ出るリスクを軽減できます。
【腰高窓】窓枠下側よりも15cm長め
大人の腰くらいの高さにある小さめの窓を腰高窓と言います。
換気がしやすく、自然光を取り込みやすいのがメリットです。
腰高窓に取り付けるカーテンは「固定ランナー下から窓枠下までの長さ」を採寸します。
採寸サイズに15cm長い丈が、腰高窓に設置するカーテンの注文サイズの目安です。
少し長めにしておくことで、窓枠の下から冷気や光が漏れてしまうのを防ぐことができるでしょう。
掃き出し窓と同様、レースカーテンはドレープカーテンよりも1cm短めにご注文ください。
あえてカーテンの裾を床につけるのがブレイクスタイル
一方、カーテンの裾が床につくほど長くすることをブレイクスタイル(パドリングスタイル)と言います。
日本ではあまり見かけませんが、ヨーロッパでは馴染み深いスタイルです。
床の生地たゆんでいる様子は、裾の長いドレスのようにゴージャスな印象を与えます。
窓の格式を高めたいときに最適なスタイルと言えるでしょう。
カーテン丈を床より短くするメリットとデメリット
一般的なカーテンサイズの場合、掃き出し窓と腰高窓、いずれの場合もカーテンの丈は床よりも短くなります。
床よりも短いカーテンには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょう。
メリット
カーテンの丈を床より短くしておくメリットは以下の3つです。
■カーテンを床より短くするメリット
- カーテンの裾に埃や汚れが付着しにくい
- 掃除機を掛けやすい
- 窓周りがスッキリと見える
裾が床よりも短いカーテンは、床の埃やゴミが付着しにくくです。
また床に裾が垂れていないことで、掃除機掛けがしやすくなります。
お手入れのしやすさと言う観点でカーテンを選ぶなら、床よりも短くしておくと便利でしょう。
床よりも少し短い丈に揃えられたカーテンは、窓辺をすっきりと演出します。
デメリット
カーテンを床よりも短く設定するデメリットは以下の3つです。
■カーテンを床より短くするデメリット
- 裾下から冷気が入り込みやすい
- 光漏れがしやすい
- サイズ選びが難しい
冷たい空気は下に集まりやすい習性があります。
そのため、カーテンと床に隙間があるとそこから冷気が入り込んできやすいです。
また、カーテンの裾から明かりが漏れてしまうこともあります。
長すぎても短すぎても見た目が不格好になりやすいため、サイズ選びがシビアなこともデメリットと言えるでしょう。
カーテンの丈を長めにするメリットとデメリット
床につくほど長い裾を楽しむブレイクスタイル。
日本ではあまりなじみのないスタイルですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょう。
メリット
ブレイクスタイルの主なメリットは以下の通りです。
■ブレイクスタイルのメリット
- 優雅でエレガントなデザイン性
- 断熱効果が高い
- 光漏れしにくい
- 伸縮する生地と相性が良い
ブレイクスタイルの魅力はその意匠性の高さ。
丈の長いドレスのように優雅に裾がたわみ、たっぷりの生地感をお楽しみいただけます。
カーテンで窓をしっかりと覆うことで、遮光性や断熱性を高める効果も期待できるでしょう。
また、天然素材のカーテンと相性が良いこともブレイクスタイルならではの長所。
リネンカーテンは湿気や水洗いによって伸縮する素材です。床にたっぷりと垂らしたブレイクスタイルなら、カーテンが伸縮しても気にせずお使いいただけます。
デメリット
一方で、ブレイクスタイルにはデメリットもあります。
■ブレイクスタイルのデメリット
- 裾に埃や汚れが付きやすい
- 裾が汚れていると風水的に良くない
- だらしなく見えてしまう場合も
ブレイクスタイルのカーテンのデメリットのほとんどがお手入れの面にあります。
カーテンの裾が床についているため、床の埃や汚れが生地に付着しやすくなります。
カーテンの下を掃除機掛けするときに、裾を持ち上げなければならないのもデメリットです。
裾が汚れていると、せっかくの長い裾がみすぼらしく見えてしまいます。
また、風水において窓は運気の出入り口。
汚れたカーテンは良い気が窓から入るのを防いでしまうため、裾が汚れたまま放置すると風水的にもよくありません。
ブレイクスタイルを取り入れるときは定期的にお手入れするよう心掛けましょう。
長めのカーテンで窓辺をおしゃれにコーディネートするポイント
ブレイクスタイルは、通常のカーテンと丈の測り方が異なります。
また、コーディネートにもコツが必要です。
この章では、カーテンのブレイクスタイルを取り入れるポイントについて解説いたします。
最適な長さ
ブレイクスタイルを実践する上で重要になるのが、カーテンの丈です。
カーテンの採寸サイズは掃き出し窓と同じ、「固定ランナー下から床までの長さ」となります。
一般的なカーテンでは採寸サイズより少し短い丈を注文しますが、ブレイクスタイルはその逆。
床にたっぷりと生地がつくよう、採寸サイズより長い丈で注文しましょう。
ブレイクスタイルは、何cm床に生地がつくのか、裾の長さによってイメージが異なります。
■1~3cm長めの丈■
1~3cm程度長めにすることで、ほど良い生地のゆとりと、お手入れのしやすさを両立できます。
■5cm長めの丈■
5cm程度長い丈にするとふんわり軽やかな印象に仕上がります。初めての方におすすめの長さです。
■10cm長めの丈■
10cm長い丈にすると、ブレイクスタイルらしいエレガントな印象に。カーテンの裾の折り返しがちょうど床につくくらいの長さです。
■15cm長めの丈■
15cmの裾をたっぷりと床につけるスタイルは、大きな窓に適しています。リビングや応接室のようなフォーマルな空間の格式を高めてくれるでしょう。その分、お手入れも丁寧におこなってください。
ブレイクスタイルの丈は正解がありません。
お手入れの頻度や、目指したい窓辺のイメージ合わせて、お好みの丈に調節してください。
生地感
カーテンは生地によっても印象が変わります。
ブレイクスタイルに挑戦するときは、カーテン生地のデザインはもちろん、生地の質感も注視して選びましょう。
■ブレイクスタイルに合うカーテン生地
- ジャカード織り
- 柔らかな生地
- 天然素材
高級感のあるジャカード織りのカーテンは、ラグジュアリーなブレイクスタイルと相性が良いです。
欧州の雰囲気を演出したいときは、クラシカルなデザインをお選びいただくと良いでしょう。
ゆったりとした裾の風合いを楽しみたい方には、柔らかな生地のカーテンがおすすめです。
カーテンの裾が柔らかく弛むので、重い印象になり過ぎません。
天然素材のカーテンを床に垂らすと、ラフなイメージに仕上がります。
リネンやコットン素材は静電気が発生しにくく、ホコリがつきにくい点もメリットです。
レースカーテンの裾について
カーテンは、ドレープカーテンとレースカーテンの2枚組で設置するのが一般的です。
2枚組でカーテンを使用している場合、ブレイクスタイルは2パターンからお選びいただくことになります。
- ドレープカーテンとレースカーテンの両方をブレイクスタイルする
- ドレープカーテンのみブレイクスタイルにする
レースカーテンの薄手で柔らかな生地感は、ブレイクスタイルと相性が良いです。
カーテンを2枚ともブレイクスタイルにするときは、ドレープカーテンよりもレースカーテンの丈を1~2cm短くするとまとまりが良くなるでしょう。
ただ、レースカーテンは白地が多く生地も薄いため汚れると目立ちやすくなります。
お手入れが不安な方は、レースカーテンは床よりも短い丈にしてみましょう。
豪華な裾のドレープカーテンとすっきりとしたレースカーテンの対比をお楽しみいただけます。
カーテンの裾が床につくときの対処法
カーテンのサイズミスをすると、意図せずしてカーテンの裾が床についてしまうことがあります。
そんなときは、思い切ってブレイクスタイルとして丈の長いカーテンを楽しみましょう。
と言いたいところではありますが、お手入れの兼ね合いでカーテンの丈を短くしておきたい方もいるのではないでしょうか?
この章では、カーテンの丈を長めに注文してしまったときの対応法について解説いたします。
アジャスターフックを使う
アジャスターフックとは、カーテンの丈を自由に調節できるカーテンフックのことです。
最大で±4cm程度カーテンの長さを調節することができます。
カーテンにアジャスターフックが付属していることも多いため、まずはカーテンのフックをご確認ください。
またアジャスターフックは、インテリアショップやホームセンターでも販売されています。
お値段も数百円とお手頃ですので、カーテンの丈を調節したいときにぜひご活用ください。
カーテンの裾を短くする
アジャスターフックで調整できないほどカーテンが長いときは、カーテンの裾を短くしてみましょう。
カーテンは丈が均一でないと裾に歪みが発生してしまいます。
裁縫が苦手な方は、カーテン用の『裾上げテープ』をご活用ください。
裾上げテープを使用すればアイロンでサイズ直しができますので、裁縫が苦手にも易しいです。
また、安全ピンなどを使用すればカーテンの裾を上げることはできますが、カーテンに穴が開く可能性もあり、見栄えもよくありません。
裾上げテープや裁縫で裾を上げるか、カーテンを買い替えるようにしましょう。
オーダーカーテンで注文する
カーテンのサイズが合わないときや引っ越しをする際には、思い切ってカーテンを買い替えてしまうのも一つの手です。
カーテンは予めサイズが決まっている既製サイズカーテンと、サイズを自由にお選びいただけるオーダーカーテンの2種類があります。
既製サイズのカーテンは安価で早くお手元に届きますが、反面購入できるサイズは限られてしまいます。
一般的な窓のサイズに合わせて作られているため、窓によってはぴったり合うサイズが見つからないかもしれません。
既製サイズのカーテンが合わない窓に取り付けるなら、オーダーカーテンを活用すると良いでしょう。
ブレイクスタイルにあうおすすめオーダーカーテン
最後に、当店FROM FLOORおすすめのブレイクスタイルにも合うおしゃれなドレープカーテンをご紹介します。
当店のオーダーカーテンはアジャスターフックがついておりますので、お好みのスタイルに合わせて丈の長さ調節が可能です。
手触りや質感を丁寧に選び抜いた生地は、ブレイクスタイルで床に垂らすとやさしく弛みます。
両端には折り返し止めのホックがついておりますので、ノーマルスタイルで取り付けると膨らみのない真っ直ぐなシルエットに。
ブレイクスタイルでも、ノーマルスタイルでも楽しめるカーテンとなっております。
優しい色合いながら裾のパイピングで空間がスタイリッシュに決まるパイピングスタイルオーダーカーテン
『パイピング付きオーダーカーテン GS1170』
パイピングがインテリアのアクセントになる柔らかな質感の高級オーダーカーテン
花柄のジョイント生地でエレガントな窓周りに。華やかでおしゃれなジョイントスタイルオーダーカーテン
『ジョイントオーダーカーテン GS1177』
優しい素材感と美しい花柄デザインで個性を持たせた高級オーダーカーテン
エッジがアクセントになり個性的なお部屋に。異なる生地を組み合わせるジョイントスタイルオーダーカーテン
『ジョイントオーダーカーテン GS1165』
メイン生地+ジョイント生地+エッジの3つを組合わせて自分らしい窓周りに
本記事のまとめ
本記事ではカーテンの裾を床につける『ブレイクスタイル』について解説いたしました。
ブレイクスタイルはカーテンスタイルの一種で、パドリングスタイルとも呼ばれています。
カーテンの裾を床につくほど長めの丈にすることで、エレガントな窓辺を演出できるでしょう。
床とカーテンに隙間ができないため断熱性や遮光性を高めることができます。
一方、ブレイクスタイルは床のホコリや汚れが裾に付着しやすくなるため、定期的なメンテナンスを心掛けてください。
ブレイクスタイルは、どの程度床に裾をつけるのかによって印象が変わります。
目指したいお部屋に合わせて最適な丈を選びましょう。