使用しているラグが寿命かどうか、買い替えるべきか迷っている方も多いのではないでしょうか?
ラグの寿命は使用環境によって大きく変わります。
ラグの状態を確認しながら買い替えのタイミングを検討しましょう。
この記事では、ラグやカーペットの寿命と買い替え時期の目安について解説いたします。
ラグの寿命・買い替えのタイミング
一般的に、ラグ・カーペットの寿命は短いもので2~3年、長いものだと5~10年と言われています。
寿命に大きな差があるのは、素材や構造、使用頻度など様々要因によって劣化の速度が変わるためです。
ここでは、ラグの買い替えのタイミングで多い3つのパターンを紹介します。
2~3年で買い替え
使用環境にもよりますが、ラグの一般的な寿命の目安は3年程度となっています。
そのため、ラグの劣化を感じた2~3年のタイミングで買い替える方が多いようです。
とは言え、すべてのラグがこの寿命に当てはまるわけではありません。
頻繁に座ったり寝転んだりしているのであれば3年よりも早いタイミングで寿命が来ることもありますし、逆に使用頻度が少なければ長持ちさせることができます。
また、小さいお子様やペットのいるご家庭では、衛生的な観点からあえて1年(ワンシーズン)ごとにラグを買い替えるケースもあるようです。
5~10年で買い替え
厚手のラグや毛足の密度が高いラグであれば、寿命は5~10年程度まで伸びます。(耐久性の高いラグの特徴については、後ほど詳しくご紹介いたします。)
また一般的なラグであっても、まめに掃除をしておくことで5年以上お使いいただくことも可能です。
『ものを大切に長く使う』という考えは、サスティナブルな暮らしに通ずるものがありますね。
質の良いラグ・気に入ったデザインのラグを購入された方は、ぜひメンテナンスに力を入れて少しでも長くご愛用ください。
30~40年で買い替え
ラグの中には、世代を超えて何十年と使えるものもあります。
ペルシャ絨毯や段通などは50年以上使えるものもあるほどです。
長い年月を経っても廃れることはなく、むしろ味わいや深みが増していきます。
親から子へ子から孫へと受け継がれ、暮らしを見守り続けてくれるラグは、まるでもう一人の家族のようです。
ラグ・カーペットが寿命かどうか見極める方法
ここでは、寿命を迎えているラグの特徴について解説します。
ここまでご説明した通り、ラグの寿命は年数で決まるものではありません。
そのため、ラグを買い替えるタイミングはラグの状態を見て判断することをお勧めします。
ラグが寿命かどうか確かめたいときは、「毛足の状態」「色褪せ・変色」「汚れ」の3点をご確認ください。
毛足がへたっている
毛足の長いラグも短いラグも、時間がたつと毛並みがへたってしまいます。
- ラグの毛並みが寝てしまっている
- 毛並みが固まってゴワゴワになっている
- ラグの弾力が減ってきている
ラグがこのような状態になってしまっている場合は、毛並みがへたっている証拠です。
ブラッシングをしても毛並みが復活しない場合は、ラグの寿命だと言えるでしょう。
また、ウレタン入りのラグは頻繁に座っているうちにだんだんと厚みがなくなってきます。
毛並みが無事でも、ウレタンがへこんでしまった場合は買い替えがおすすめです。
色褪せ・変色が目立つ
ラグは経年や紫外線によって色褪せ・変色が発生するもの。
購入した頃と色合いが変化している場合は、ラグの買い替えタイミングです。
ただ、ウールラグやい草ラグなど天然素材のラグは経年による色の変化も魅力のひとつ。
とくにウールのラグは使用年月を重ねるごとに、色艶や深みが増していきます。
そのため、色が変わっていくことが必ずしも悪いこととは言い切れません。
色がくすんで見えるなど、ラグの経年劣化が気になったタイミングで買い替えるのが良いでしょう。
汚れが気になる
ラグは機能性とデザイン性を兼ね備えたインテリア。
汚れやほつれが気になる場合も、ラグを買い替えた方が良いでしょう。
ラグは肌に直接触れて使うものですので、汚れが付着しないようにするのは難しいです。
長年使用しているうちに、ほこりや皮脂などによってくすんでしまいます。
黒ずみや黄ばみ気になる場合や、洗濯や水拭きをしても汚れが落ちない場合は、買い替えを検討しましょう。
耐久性が高いラグの特徴
ラグ本体の耐久性は『素材』『毛足の密度』『パイルの形状』などによってある程度決まっています。
ラグを長く使用するためには、耐久性の高いラグを選ぶことも重要です。
ここでは、耐久性が高いラグの特徴について解説します。
素材
ラグは使われている素材によって耐久性が変わります。
気に入ったラグを長くご愛用したい方は、ぜひ素材にも着目してみてください。
■ラグ・カーペットの素材比較表■
弾力性 | 耐久性 | 防汚性 | 断熱性 | 吸湿性 | |
ウール | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
コットン | ○ | ○ | △ | ○ | ○ |
ナイロン | ◎ | ◎ | △ | △ | ○ |
ポリエステル | ○ | △ | ○ | △ | × |
ポリプロピレン | × | △ | ○ | △ | × |
アクリル | △ | △ | △ | ○ | △ |
ラグに使われる繊維の中で最も耐久性が高いと言われているのがナイロンです。
ナイロンは弾力性・耐摩耗性に優れており、ホテルや商業施設など土足で歩く場所のカーペットにも使われています。
天然素材であるウールも弾力性・耐久性が高いです。
ウール素材にはラノリンと呼ばれる油脂が含まれているため、汚れがつきにくく簡単なお手入れで長くご愛用いただけます。
使い込むほどに風合いが増していくのは天然素材ならではの魅力です。
ラグの素材ごとの特徴やメリット・デメリットについてはこちらの記事で詳しく紹介しております。
毛足の密度(目付)
カーペットは毛足の密度(目付量)によっても耐久性が変わります。
毛足がしっかり詰まった密度の高いラグは、負荷を分散しやすく耐久性が高いです。
カーペットの密度は、目付量を参考にすると良いでしょう。
目付量とは1㎡に何gの繊維が使われているのかを表す指標です。
『1600g/㎡』のように表記され、目付量が多いほど密度が高いという事になります。
ウィルトン織りのカーペットの場合は、ノット数を参考にしましょう。
ノット数は1㎡の中に糸の結び目がいくつあるかを表す指標です。
数字が大きくなるほど密度が高く、クッション性や耐久性が高くなります。
また実物を確認できるときには、手で触れて毛並みのボリュームを確かめておくと良いでしょう。
パイルの形状
カーペットは毛足(パイル)の形状によっても耐久性が変わります。
カーペットのパイルの種類は、『ループパイル』と『カットパイル』の2種類です。
毛足が輪っかになっている
毛足が切り揃えられている
(※ループパイルとカットパイルがミックスされた、カット&ループパイルもあります。)
カットパイルよりも、ループパイルの方が耐久性が高いです。
タオル地のように毛足が輪っかになったループパイルはサラッとした手触りをしています。
輪っかになっているため弾力があり、耐久性に優れています。
毛先がカットされたカットパイルは、柔らかな肌触りが特徴。
ループパイルに比べると耐久性や弾力性はやや劣ります。
歩行量の多い廊下やリビングなどには、耐久性の高いループパイルのカーペットがおすすめです。
ラグを長持ちさせるメンテナンス方法
ラグを長く使うためには、日ごろから正しくラグを掃除することが大切です。
最後に、ラグを長持ちさせるためのお手入れ方法についてご紹介します。
掃除機掛け
カーペットは、ほこりや髪の毛などの細かいゴミが絡みつくことにより毛足がへたってしまいます。
ふわっとしたラグの毛並みを持続させるためには、定期的に掃除機掛けが欠かせません。
週に1回は掃除機掛けをおこないましょう。
ラグの毛並みを起こすように掃除機を掛けると、毛足の奥に入り込んだホコリやゴミが吸い出しやすいです。
毛並みの風通しが良くなることでダニ予防効果も期待できます。
掃除機を強く擦りつけると毛足が傷んでしまうので、できるだけ優しく掃除機を掛けてください。
回転ブラシもラグの毛足を傷める要因のひとつ。
ラグの掃除をするときは回転ブラシのない掃除機を掛けるか、回転ブラシをオフにしておきましょう。
掃除機をかけ終えたら、窓を開けて換気をおこないます。
カーペットを長持ちさせる秘訣は湿気を溜め込まないこと。
カーペットをドライに保つことで、ホコリが取れやすく毛足の傷みも少なくすみます。
拭き掃除
ラグは肌に直接触れるため、皮脂や汗などの汚れも付着しています。
そのまま放置すると黄ばみの原因となるため、月に1回拭き掃除をして取り除きましょう。
■カーペットの拭き掃除方法■
- ぬるま湯で薄めた中性洗剤を用意する
- 雑巾を①に浸して固く絞る
- 雑巾でラグを叩き拭きする
- ぬるま湯に浸した雑巾で水拭きする
- 洗剤が落ち切るまで水拭きを繰り返す
- 乾いた雑巾で水気を拭き取る
- 風通しの良い場所に裏返しで陰干しする
雑巾でゴシゴシ擦ると毛並みを傷めてしまいます。トントンと叩くようなイメージで雑巾がけをしましょう。
水拭きは数回おこない、ラグに洗剤が残らないように気をつけてください。
日光の当たる場所にラグを干すと変色する恐れがあります。必ず日陰に裏返しで干しましょう。
ラグの陰干しが難しい場合は、扇風機などで風を当ててラグを乾かしてください。
ラグを半分ずつめくって風を当てることで、裏側にこもった湿気を逃すことができます。
ブラッシング
カーペットの毛並みがへたってきたときには、ブラッシングが効果的です。
ブラッシングはシャギーラグやムートンラグのような毛足の長いラグに向いています。
頻繁にブラッシングするとラグの毛が抜けすぎてしまうことがあるので、毛並みのへたりが気になったタイミングでおこないましょう。
■カーペットのブラッシング方法■
- 蒸しタオルで毛並みを湿らせる
- 毛並みを逆立てるようにブラッシングをする
- カーペットを乾燥させる
洗濯可能なカーペットの場合は、洗濯後の乾燥前にブラッシングをしても問題ありません。
ラグの毛足を傷めないよう、そっとブラシをかけるようにしてください。
この記事のまとめ
本記事では、ラグ・カーペットの寿命について解説してきました。
ラグ・カーペットの寿命目安は短いもので2~3年、長いものだと5~10年です。
ラグの寿命は、ラグ本体の耐久性や、使用環境によって大きく変わります。
ラグの買い替え時期については使用年数よりも、ラグの状態を見て見極めてください。
買い替えのタイミングは、「毛足の状態」「色褪せ・変色」「汚れ」などを確認します。
経年による劣化が感じられる場合は、新しいラグへの買い替えを検討しましょう。