ウィルトン織りカーペットは、18世紀半ばにイギリスで誕生した機械織カーペットのひとつ。
織りの細やかさから、機械織カーペットの中では最高級品と謳われています。
一方で、ウィルトン織りは製作に多くの材料と時間がかかるため、値段が高くなるというデメリットも。
購入前にウィルトン織りのメリット・デメリットについて知り、購入後の不安や後悔を少しでも軽減しましょう。
本記事ではウィルトン織りラグ・カーペットのメリット・デメリットについて解説いたします。
ウィルトン織りカーペットとは
ウィルトン織りの「ウィルトン」とは、イギリス・ウィルトシャ―州にある地名のこと。
18世紀半ばにウィルトン地方で初めて作られたことから、この名前がつきました。
ウィルトン織りはウィルトン地方発祥の機械織のカーペットのことです。
機械織でありながら、手織りカーペットのように繊細な織り模様をお楽しみいただけます。
ウィルトン織りの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
ノット数について
ウィルトン織りを語るうえで欠かせないのがノット数です。
ノット数とは、ウィルトン織り織り密度の高さを表す単位。
1㎡当たりの結び目の数を表しています。
1㎡当たり5万個の織り目がれば5万ノット、50万個の織り目があれば50万ノット。
ノット数が増えるほど織りの密度も高くなります。
ノット数の高いウィルトン織りは、耐久性が高く、繊細で緻密なデザインを表現することが可能です。
質の良いものを長く楽しみたい方に向いています。
一方、ノット数の低いウィルトン織りは手頃な価格が魅力。
買い替えを前提としてウィルトン織りを購入されたい方におすすめです。
色や価格、デザインなどカーペットを選ぶ要素は様々。
ウィルトン織りカーペットを選ぶ際は、選択材料のひとつとしてノット数にも着目してみてください。
ウィルトン織りカーペットのメリット
機械織のカーペットの中では最高級品と謳われるウィルトン織りのカーペット。
そんなウィルトン織りカーペットのメリットは以下の通りです。
■ウィルトン織りカーペットのメリット■
- 耐久性が高い
- 遊び毛が出にくい
- デザインが豊富
それぞれ詳しく解説いたします。
耐久性が高い
機械織カーペットの中でもトップクラスの耐久性を誇ります。
ウィルトン織りは、一般的なカーペットに比べて圧倒的に織り密度が高いです。
密度が高く毛足が詰まっていることにより、毛足がへたりにくく丈夫で長持ちします。
一般的にノット数が高い程、耐久性も高くなります。
ウィルトン織りは、経糸・緯糸・覆経糸（シメ糸）の3本でパイル糸を締め付けるように固定してます。
毛足しっかりとが固定されているため、耐久性も高くなるのです。
遊び毛が出にくい
ウィルトン織りは、遊び毛や抜け毛が少ないこともメリットのひとつです。
先ほど説明した通り、ウィルトン織りカーペットはパイル糸を3種類の糸を使って固定しています。
パイルがしっかり固定されるため、パイル抜けや遊び毛の心配が少ないです。
ウィルトン織りの毛足を摘まんで引っ張っていただくと、その堅牢さがよくわかります。
毛足が抜けにくいため、日々のお手入れも簡単です。
デザインが豊富
ウィルトン織りは、パイルの種類、長さ、色を自由に選ぶことができるため、デザインの幅が広いです。
カットパイル、ループパイルなど毛足の形状を変えたり、パイルの長さを変えることができます。
パイルを変えることで、無地のカーペットでも表情に変化が生まれるのです。
また、パイル糸の色は2-5色まで選ぶことができます。
高密度の毛足が織りなす模様は、絵柄のニュアンスや色のグラデーションを表現することが可能です。
オリエンタルな模様のウィルトン織りカーペットは、手織りの絨毯と見紛うほどの美しさ。
プリントラグにはない、華やかさと上品さを兼ね備えています。
ウィルトン織りカーペットのデメリット
ウィルトン織りは、一般的なカーペットに比べると高価な敷物です。
購入される前にデメリットについても知っておきましょう。
ウィルトン織りカーペットのデメリットは、以下の2つです。
■ウィルトン織りカーペットのデメリット■
- 価格が高い
- 洗濯が難しい
それぞれ詳しく解説いたします。
価格が高い
ウィルトン織りカーペットのデメリットは、価格が高いこと。
高密度に織り上げるため、タフテッドカーペットに比べて30倍もの時間がかかります。
密度が高い分、必要な糸の量も多くなるため、価格が高くなってしまうのです。
目安として普及グレードのウィルトン織りで数千円～2万円前後。
ハイグレードになると、10万円以上するウィルトン織りもあります。
そのため、汚れやすい場所に敷きたい方や、短いスパンで買い替えを検討されている方には、ウィルトン織りは不向きかもしれません。
コストを抑えつつウィルトン織りを購入されたい方は、以下の2点を意識しましょう。
- ノット数の低いウィルトン織りを探す
- マットサイズのウィルトン織りを試用する
ノット数の低いカーペットであれば、比較的購入しやすい価格となっています。
買い替えを前提として購入される方にもお求めやすいです。
ウィルトン織りカーペットはサイズが小さいほど値段を抑えることができます。
ハイグレードのウィルトン織りであっても、玄関マットサイズなら手が届きやすいです。
実際、ハイグレードのウィルトン織りは、玄関マットの方が先に売り切れることも少なくありません。
洗濯が難しい
ウィルトン織りカーペットは、水洗いできないものが多いこともデメリットとして挙げられます。
手の込んだ製法で作られるウィルトン織りは、洗濯機で洗うと生地を傷めてしまうことがあるためです。
そのため、ほとんどのウィルトン織りカーペットの多くが、水洗い不可となっています。
洗えるカーペットをお探しの場合は、ウィルトン織り以外の方が種類も豊富に揃っているでしょう。
ただ、密度が高いウィルトン織りには、ホコリや汚れが毛足の奥に入り込む心配は少ないというメリットもあります。
ウィルトン織りカーペットの、日常のお手入れは掃除機を掛けるだけで十分です。
もし液体をこぼして汚れてしまった場合は、中性洗剤を含んだ布で水拭きをします。
水拭きで洗剤を落とした後、乾拭きして良く乾燥させましょう。
ノット数別のおすすめウィルトン織りカーペット
ノット数はウィルトン織りの価格や耐久性を左右する重要な要素。
ウィルトン織りカーペットを選ぶ際は、ノット数も参考にしましょう。
ここからはノット数の高さ別に、当店自慢のウィルトン織りカーペットにご紹介します。
普及グレード（5万～20万ノット）
価格が抑えられ、買い替えにも適している普及グレード（5万～20万ノット）のウィルトン織りカーペット。
ノット数の低いウィルトン織りは、ドット絵のような親しみやすい絵柄となっています。
ウィルトン織りの中では低めのノット数となっておりますが、他のカーペットに比べると密度は高いです。
中級グレード（20万～32.5万ノット）
中級グレード（20万～32.5万ノット）になると、モダンデザインや幾何学模様のウィルトン織りが多い印象です。
絵柄のタッチが細かくなり、線の揺らぎやグラデーションも表現できるようになります。
高級グレード（32.5万～50万ノット）
高級グレード（32.5万～50万ノット）になると、ウィルトン織り本来の魅力を発揮できます。
オリエンタルなデザインが増えてくるのも、このあたりのグレードからです。
超高級グレード（50万～100万ノット）
一目見ただけでも質の良さが伝わってくる超高級グレード（50万～100万）のウィルトン織り。
超高級グレードのウィルトン織りを見るときは、カーペットをめくって裏面もご確認ください。
裏面を見れば、いかに綿密に織り上げられているのかがわかります。
最高級グレード（100万ノット以上）
最高級グレード（100万ノット以上）のウィルトン織りカーペットともなれば、ペルシャ絨毯に比肩するほどの綿密さを誇ります。
繊細な織り模様は、思わずため息がこぼれる美しさです。
隅々まで趣向を凝らしたデザインは、インテリアを豪華に彩ってくれることでしょう。
本記事のまとめ
本記事ではウィルトン織りカーペットのメリット・デメリットについて解説いたしました。
ウィルトン織りカーペットのメリットは以下の通りです。
- 耐久性が高い
- 遊び毛が出にくい
- デザイン性が高い
ウィルトン織りカーペットは織り密度が高く、耐久性に優れています。
パイル糸を3本の糸で締めているため、遊び毛なども少ないです。
一方、ウィルトン織りカーペットのデメリットは以下のようなものになります。
- 価格が高い
- 洗濯が難しい
織り密度が高いウィルトン織りは、製作に多くの時間と材料が必要です。
そのため、価格が高いというデメリットがあります。
ウィルトンカーペットは値段が高いですが、その分長くお使いいただけます。
質の良いものを長く愛用したい、そんな方にウィルトン織りカーペットはおすすめです
