クッション性が高く、座り心地が良いウレタンラグ。
しかし一方で、分厚いラグは扉の開閉に干渉してしまうため選び方に注意が必要です。
ラグを選ぶ際には、メリット・デメリットを知った上で暮らしにあったものをお選びください。
本記事ではウレタンラグの特徴とウレタンラグのメリット・デメリットについて解説いたします。
ウレタンラグとは
ウレタンとは、液体薬品を化学反応によって膨張させて固めた化合物のことです。
ソファーやマットレスの芯材、食器洗い用のスポンジなど幅広い用途で使用されています。
ウレタンが使用されたラグは、クッション性が高く、弾力性や防音性が高いことが特徴です。
ウレタンのラグは、『低反発ウレタン』と『高反発ウレタン』、そして普通ウレタンに分類されます。
単体で使用されるだけでなく、2つのウレタンを組み合わせて使用することも多いです。
高反発ウレタン
高反発はその名の通り、反発力の強いウレタンのことです。
手で押さえると、凹んだ部分はすぐに元に戻ります。
高反発ウレタンは弾力性が高いため、身体が沈みすぎず、安定感があります。
体圧を分散するため、長時間座ったり肘をついたりしても身体が痛くなりにくいです。
反発する力が強いため、復元力や耐久性が高い傾向があります。
しっかりとした踏み心地の高反発ウレタンは、座って過ごす場所や床に寛ぐ場所に最適です。
低反発ウレタン
低反発ウレタンとは、反発力が弱いウレタンのことです。
手のひらで押さえると、凹んだ部分がゆっくりと戻っていきます。
低反発ウレタンは、高反発ウレタンに比べて感触が柔らかいです。
身体の形に合わせて柔軟に変形するため、沈み込むように身体にフィットします。
一方で、低反発ウレタンは高反発に比べて寿命が短いのがデメリットです。
包みこまれるような座り心地がお好きな方は、低反発ウレタンのラグをお選びください。
ウレタンラグのメリット
ウレタンラグの主なメリットは以下の通りです。
- 座り心地の良さ
- 転倒時の怪我予防と足腰の負担軽減
- 底冷えしにくい
- 防音性
それぞれ詳しく解説いたします。
座り心地が良い
ウレタンラグの一番のメリットは、その座り心地の良さでしょう。
クッション性の高いウレタンラグは、まるで布団の上に寝転んでいるような心地よさ。
床に座って過ごすときはもちろんこと、寝転んで肘をついても快適にお過ごしいただけます。
低反発のラグは沈み込むような感触、高反発はしっかりと受け止められるような感触。
感触をお好みに合わせて選んでいただける点も、ウレタンラグのメリットと言えるでしょう。
転倒時の怪我予防と足腰の負担軽減
家庭内で意外と多いのが『転倒による事故』です。
クッション性の高いウレタンラグは、転倒時の怪我予防としても活躍します。
赤ちゃんや小さなお子様が転倒した時にも、衝撃を優しく吸収してくれるでしょう。
また、クッション性の高いため長時間座っていても身体への負担が少ないです。
フローリングだと滑ってしまう、ペットの足腰負担軽減にも役立ちます。
底冷えしにくい
ウレタンラグは、熱伝導率が低く断熱性が高い素材です。
また、ウレタンラグは厚みがあることから薄手のラグに比べて保温性が高い傾向があります。
冬のフローリングの寒さを改善したい方は、ぜひ床にウレタンラグを敷いてみましょう。
20mm以上の厚手ウレタンラグをお選びいただくと保温効果や断熱効果を感じていただきやすいです。
シャギーラグであれば夏になると暑苦しく感じられますが、ウレタンラグは夏にもそのままご使用いただけます。
オールシーズン快適に過ごしたい方におすすめです。
防音性
ウレタンには衝撃を吸収する力があり、防音性にも優れています。
足音や物を落とした衝撃音など、生活音が階下に漏れるのを防いでくれるでしょう。
マンション・アパートをはじめとした集合住宅の騒音トラブル対策にも有効です。
ウレタンラグのデメリット
ウレタンラグにはデメリットもあります。
ウレタンラグのデメリットは以下の通りです。
- 経年劣化しやすい
- お手入れが難しいことがある
- 段差が大きくなる
それぞれ詳しく解説いたします。
経年劣化しやすい
ウレタンラグは、空気や水に触れることで経年劣化しやすいことがデメリットです。
ウレタンが劣化すると、へたってしまったり、黄色い粉が出たりすることがあります。
ウレタンラグの寿命はおよそ3年前後。
高級絨毯のように何十年も使えるものではないため、数年で買い替えることを想定してお選びください。
買い替えを前提として、お子様の年齢が小さいうちはクッション性の高いウレタンラグを敷いているご家庭も多いようです。
お子様の年齢が大きくなり、ラグを汚す心配がなくなった段階でラグを買い替えても良いでしょう。
ウレタンラグが劣化した時に発生する『黄色い粉』の対処法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
お手入れが難しいことがある
厚みのあるウレタンラグは、洗濯やお手入れが大変なこともデメリットのひとつ。
ウレタンラグは水分をたっぷり吸収するため、洗濯するとかなり重いです。
全厚30mmを超えるような厚手のウレタンラグですと、濡れた状態では裏返すのも一苦労ですし、内部まで乾かすのにも時間がかかります。
薄手のラグのように、気軽にお洗濯するのは難しいかもしれません。
また、ウレタンの劣化を防ぐため、水洗いができないものも多くあります。
こまめにお手入れをしたい方は、ウレタンラグが洗濯可能か確認してから購入しましょう。
ラグを長く清潔に使用するためには、日頃から掃除機掛けや拭き掃除を行うことも大切です。
洗濯できないラグのお手入れ方法については、こちらの記事をご参照ください。
段差が大きくなる
厚みや弾力はウレタンラグの大きな魅力ですが、一方でしっかりとした厚みが仇となることもあります。
床との段差が大きくなるため、歩行時に躓いてしまうことがあるのです。
ご高齢の家族や、歩行が不安定なご家族がいる場合は、段差に注意してご使用ください。
また、ラグに厚みがあると、ドアの開閉動作に干渉してしまうことがあります。
出入口やクローゼットの扉付近にラグを敷きたいときは、ラグの厚みを確認しておきましょう。
厚手のウレタンラグを敷くときは、扉の開閉に干渉しないよう、部屋の中央にのみラグを敷くのもおすすめです。
後悔しないウレタンラグ選びのポイント
この章では、ウレタンラグを選ぶときのポイントを解説いたします。
ウレタンラグを選ぶ際には、下記の4つのポイントに気をつけましょう。
- ウレタンの種類
- ウレタンの厚み
- サイズ
- お手入れのしやすさ
それぞれ詳しく解説いたします。
ウレタンの種類
高反発ラグと低反発ラグ、どちらもウレタンラグではありますが使い勝手が少し違っています。
「沈み込むようなふかふかのラグ」を探していて高反発ラグを購入してしまうと、公開してしまうかもしれません。
ウレタンラグを選ぶときは、高反発ラグと低反発ラグのどちらが欲しいのかを考えておきましょう。
▼高反発ラグ・低反発ラグの特徴▼
高反発ラグ | ・反発力が高い ・しっかりしたの座り心地がお好きな方 |
低反発ラグ | ・反発力が低い ・沈み込むような座り心地がお好きな方 |
長時間座る場合は、身体を支えてくれる高反発のラグの方が身体への負担が少なくなるでしょう。
一方で、座ったり寝転んだりしたときの沈み込むような感覚がお好きな方には低反発ラグがおすすめです。
ご自身のニーズに合わせてウレタンの種類をお選びください。
ウレタンの厚み
ウレタンラグを選ぶ際は、用途に合わせて厚みを選びましょう。
ウレタンラグは厚みが増すほど座り心地が良くなりますが、つまづきなどの可能性が高まってしまいます。
厚さ1~2cmであれば、歩行もスムーズで、ほど良い厚みを感じられるでしょう。
しっかりとした弾力や、高いクッション性を求められる方は厚さ2cm以上がおすすめです。
厚さ4~5cmになると、ウレタンラグの中でもかなり厚手の部類になります。
ドアの開閉に干渉しないかなど、周辺の環境も確認しておきましょう。
サイズ
ウレタンラグに限らず、ラグを選ぶときはサイズ選びが重要です。
ラグを敷きたい場所の広さ、敷く目的に合わせてサイズを選びましょう。
ソファに座って過ごすことが多い場合は、比較的小さいサイズでもお使いいただけます。
床に座ったり寝転んで過ごすことが多い場合は、大きいサイズのラグがおすすめです。
サイズ感が掴みにくいときは、新聞紙やシーツをラグの代わりに敷いてみましょう。
敷く目的や寛ぐ場所に合わせて、ラグのサイズをご検討ください。
お手入れのしやすさ
ウレタンラグを衛生的に使用できるよう、お手入れしやすいものを選びましょう。
汗や皮脂の汚れが気になる方は、洗濯できるウレタンラグがおすすめです。
分厚いウレタンラグは、濡れると重量があり、乾かすのにも時間がかかります。
クッション性と洗濯のしやすさを天秤に掛けながら、厚みをお選びください。
撥水加工のついたウレタンラグは、水や汚れを弾くため汚れにくく、汚れても落としやすいです。
ウレタンラグを長くお使いいただくために
ウレタンラグを長くご使用いただくために、気をつけるべき2つのことをご紹介します。
ウレタンラグの上に重いものを長時間置かない
ウレタンラグは弾力性が高いですが、同じ場所に長時間負荷が掛かると凹んでしまいます。
タンス、椅子、ソファなど、重い家具の上に長時間置いて使用するのは控えましょう。
一時的なものであれば、重いものを移動させてしばらく経つと凹みが戻ります。
ラグを収納するときに圧縮袋を使用しない
ウレタンラグはボリュームがあるため、圧縮袋に入れて収納したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
圧縮袋を使用すると、圧力によってウレタンが劣化する可能性があります。
ウレタンラグを収納する際は、圧縮袋を使用しないでください。
また、ラグに汚れや湿気が残ったまま収納するとダニやカビが繁殖する可能性があります。
ラグは収納前に掃除をし、陰干しして湿気を取り除いておきましょう。
ウレタンラグは折りジワが付かないよう、丸巻きにしてハトロン紙などで包み、風通しの良い場所に保管してください。
まとめ
本記事ではウレタンラグの特徴とウレタンラグメリット・デメリットについて解説いたしました。
ウレタンラグはクッション性が高く、座り心地の良い敷物です。
弾力があり、保温効果や防音効果も期待できます。
一方、ウレタンラグのデメリットは以下の通りです。
- 経年劣化しやすい
- お手入れが難しいことがある
- 段差が大きくなる
ウレタンは経年によって劣化しやすいため、数年単位で買い替えることを前提としてお選びください。
また、ウレタンの厚みは、扉の開閉に干渉してしまうことがあります。
ウレタンラグを選ぶ際は、厚みやサイズを意識しながら選ぶと良いでしょう。
ウレタンラグは反発力が高くしっかりと身体を支えてくれる高反発ラグと、反発力が低く身体を包み込んでくれる低反発があります。
お好みに合わせてご自身に合うウレタンラグをお選びください。